米IT大手のマイクロソフトが、NPOと協働してゲーミフィケーションを活用したサステナビリティ意識向上キャンペーンを展開している。マイクロソフトは水問題に取り組む国際NPOのONE DROPと協力し、若者からお年寄りまでが楽しみながら水問題について学ぶことのできるゲーム型アプリ、The ONE DROP of Lifeを開発した。同アプリはイタリアで「地球に食料を、生命にエネルギーを」をテーマに開催されたミラノ万博の中で発表された。
同アプリはマイクロソフト、アンドロイド、iOSモバイル端末、タブレットなどでダウンロード可能だ。ダウンロード数は既に10万を突破しており、世界中から高評価が集まっている。この取り組みは、世界的な水問題への意識向上とその解決に向けた資金調達を目的としてシルク・ドゥ・ソレイユと共同で毎年開催されているファンドレイジングイベント、One Night for ONE DROPのスポンサーシップを通じて実現したものだ。
ONE DROPのCEOを務めるCatherine B. Bachand氏は「我々はこれらの取り組みにおいてマイクロソフト社から技術的な支援を受けていることを光栄に感じている。我々は個人やコミュニティを支援することが、グローバルな課題に立ち向かうための新しいサステイナブルな解決策を再考する鍵となるという共通の信念を持っている。マイクロソフト社はそのテクノロジーを通して我々を支援してきた。その代わりに、次は我々が安全な水や衛生環境への対策を通じてコミュニティの支援をする番だ」と述べた。
また、マイクロソフトで西ヨーロッパ地域のCMOを務めるChristian Frei氏は「我々はテクノロジーを通して地球上の全ての人々を支援し、最終的には人々の生活の全ての面を向上させたいと考えている。水資源の管理を含め、人類が直面する最も差し迫った問題には革新的な解決策が必要だ。そのため、我々は世界中のコミュニティに安全な水への持続可能なアクセスを提供するという目標を掲げるONE DROPを支援している。ONE DROP は、ONE DROP of Lifeのような新しいアプリの開発といった創造的な方法で問題意識の向上に取り組むなど、継続的にクリエイティブでインパクトのある解決策を見出している」と語った。
米国ではONE DROP of LifeのようなゲーミフィケーションをCSRキャンペーンに活用する例が増えている。例えば米国のファーストフード大手、Chipotleは、YouTube Filmとパートナーシップを組んで持続可能な食量を探し出すゲームアプリをローンチしている。
気候変動や水問題、森林破壊といったサステナビリティ課題は、一般消費者の日常生活からは縁遠い問題のように捉えられがちだ。しかし実際には一人一人の日々の生活はこうしたグローバル課題と密接に関わっており、個々人の意識と行動が大きなインパクトを生み出している。こうした課題に対する当事者意識を醸成する上でゲーミフィケーションはとても有効な方法の一つだ。「何を伝えるか」以上に「どう伝えるか」を工夫することが、成功するCSRキャンペーンの必須要素だと言える。
【参照リリース】ONE DROP collaborates with Microsoft, using technology to raise awareness of water issues
【団体サイト】ONE DROP
【企業サイト】Microsoft
(※写真提供:drserg / Shutterstock.com)
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