米国を代表する銀行大手のバンク・オブ・アメリカ、シティバンク、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴら6社は9月28日、世界的な気候変動合意に向けた政府のリーダーシップと政府間の協力体制を求める共同声明を発表した。声明を取りまとめたのはサステナビリティに関する国際アドボカシーNGOのセリーズだ。6社は声明文の中で、市場の確実性を高め、投資を促進し、低炭素エネルギーのイノベーションや雇用創出につながる気候変動政策枠組みを支持すると表明している。
また、銀行らは気候変動課題の解決に向けた政策に従う姿勢を表明しており、よりレジリエントな都市やコミュニティの実現に向けて気候変動緩和の取り組みに対する直接投資を今後も継続していく熱意を示している。
銀行らは、気候変動課題の解決に対して膨大な資源投入を共同で実施しており、更なる投資のためには透明性と安定性のある長期の政策枠組みが不可欠だとしている。
セリーズの代表を務めるMindy Lubber氏は「金融機関は低炭素社会への転換に向けた融資において非常に重要な役割を担っている。米国の代表者らがパリのCOP(気候変動枠組条約の締約国会議)の会合に入る際、彼らは自国の産業界および金融業界は気候変動対策における米国政府のリーダーシップに応える準備ができていると自信をもって言えるだろう」と語る。
かつて米国は産業界の圧力や政権の考え方から温室効果ガス排出に関する政策をはじめグローバルで展開される多くの気候変動政策から距離を置いて来たが、最近では2015年8月にオバマ政権がClean Power Planを公表するなど、低炭素社会に向けた国家レベルの政策が着実に稼働している。世界最大規模を誇る米国金融機関の共同宣言はこうした政府の動きを後押しするものであり、今後の同国の政策ならびにビジネス界の動向は期待を込めて注視したい。
【参照リリース】Major U.S. banks call for leadership in addressing climate change
【団体サイト】Ceres
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