業務用食品廃棄物処理機を製造販売するBioHiTech Globalは8月19日、今期第2四半期決算を発表し、処理機の販売が大幅に伸びていることを明らかにした。主力の食品廃棄物処理機事業の今年上期の売上高は約45万ドルで、昨年同期比で57%増加した。同社はNASDAQに上場している。
同社は、小売企業やホテル、飲食店など大量に食品廃棄物が発生する企業に対して、事業所内で食品廃棄物を無害な排水に分解し、公共の下水設備を用いて処理できる箱型の食品廃棄物処理機を販売またはレンタルしている。同社の売上が伸びている背景には、食品廃棄物の削減目標を掲げる企業がアメリカでも増えてきており、同社の製品導入が進んでいると見られる。同社のホームページでは導入顧客として、大手ホテルチェーンのマリオットグループ、大手レストランのチーズケーキ・ファクトリー、また連邦司法省が管理する刑務所にも導入されている。
同社はニューヨークの本社を置き、米国を主要市場として成長してきたが、近年はアジア地域や南米にも販路を拡大し、日本でも2014年にBIOHITECH-JAPANが設立、処理機の販売をスタートしている。
BioHiTech社は食品廃棄物を微生物を用いて排水に変換する仕組みを用いているが、食品廃棄物を削減する技術は他にも多い。例えば、食品廃棄物を火力発電のエネルギー原料や堆肥に変換する試みは以前からなされており、BioHiTech社も今後食品廃棄物をエネルギー原料に変換する処理機の販売を展開していくという。国際的な考え方の中で、工場排水を廃棄物に含めるのか否かについてはまだ統一的な見解が定まっていないため、排水への変換を廃棄物削減とみなす考え方を採用する企業も少なくない。しかしながら、排水は公共下水処理場に負担をかける上、生分解性された排水が生態系に悪影響を及ぼさなかいかについては十分な注意が必要だ。現段階では、廃棄物を液体に変換することで、統計的な「廃棄物量」と廃棄コストを削減できるばかりでなく、ゴミ収集車から生まれる温室効果ガスや環境汚染物質を削減できることのメリットがあるが、今後はエネルギー原料や堆肥などに変換するやり方や、食品廃棄物を食品として再利用する手法へと移っていくだろう。更に本質的には食品廃棄物そのものを出さない食品生産管理や食品原材料の有効活用のほうがより重要だとも言える。
【参照ページ】BioHiTech Global Reports Second Quarter 2016 Financial Results
【企業サイト】BioHiTech Global
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