【国際】国際エネルギー機関「World Energy Investment 2016」発行。化石燃料投資が大きく低下 2016/10/03 最新ニュース

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 世界29ヶ国が加盟する国際エネルギー機関(IEA)は9月14日、世界のエネルギー投資に関する最新レポート「World Energy Investment 2016」を発表した。IEAは世界的なエネルギー関連の国際機関として、調査やアドボカシー活動を積極的に展開しており、エネルギーの世界事情についてまとめた年間報告書「World Energy Outlook」は、他の国際機関や各国政府、エネルギー業界なども多く参照している。今回発表したのは、エネルギー投資分野に特化して現状をまとめた報告書で初めての試み。報告書の中では、エネルギーの安定供給と世界中でのエネルギーアクセス向上と低炭素経済への移行を両立させていくためには、直接投資を誘引するための能力にかかっていると総括した。「World Energy Outlook 2016」は11月16日に発行される見通し。

 「World Energy Investment 2016」では、テクノロジー、産業、地域という複数の切り口からエネルギーシステムへの投資について詳細報告を行っている。分析では、投資家、政策立案者、消費者の直面する様々な課題を包括的に網羅した。主な論点は、

・2015年の世界的なエネルギーシステム投資のレベル、最も資本を呼び込めた国
・燃料や技術ごとの投資実績と投資成長率
・低燃料価格の環境が石油、ガス、再生可能エネルギー、エネルギー効率化に与えた影響
・現在の投資トレンドが低炭素エネルギーシステムへの移行に沿ったものであるか
・技術改良、ビジネスモデルの変化、パリ気候協定など主要政策が投資の再形成に与えた影響

 「World Energy Investment 2016」の報告書は有料だが、サマリー版は無料でダウンロードできる。サマリー版によると、世界のエネルギー投資国トップ5は中国、アメリカ、EU、ロシア、インド。2015年の世界全体のエネルギー投資額は、米国で石油ガス分野への投資が大幅に落ち込んだ影響を受け、マイナス8%の1.8兆米ドルだった。とりわけ米国では資源価格の低下によるシェールガス、シェールオイル分野への投資額が激減していた。一方、中国では発電分野への投資が旺盛で、米国を抜いて中国が世界一のエネルギー投資国となった。その中国でも、石油、ガス、石炭という化石燃料の需要が低下してきており、世界的な資源価格にも影響を与えている。世界全体の資源価格の落ち込みについては、要因の3分の2はエネルギー価格の低下で、エネルギー需要の低下は3分の1程度だと算出した。低炭素エネルギー源への移行分野では、水力を含む再生可能エネルギー投資に2,900億米ドルが投じられ、原子力発電は中国での投資が旺盛で過去20年間で最高の投資額となった。また、世界全体では、世界のエネルギー需要の伸び率を、再生可能エネルギー及び原子力発電の伸び率が上回った。

【参照ページ】World Energy Investment 2016
【報告書サマリー】World Energy Investment 2016 Executive summary 

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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