【国際】AccountAbility、改訂版「AA1000AP 2017」案を公表。新たに「インパクトの原則」盛り込む 2017/02/06 最新ニュース

 アカウンタビリティに関する国際基準発行の英国NGO、AccountAbilityは1月26日、報告と情報開示に関するガイドライン「AA1000 AccountAbility Principles」の改訂版「AA1000AP 2017」を公表し、パブリックコメントの募集を開始した。「AA1000 AccountAbility Principles」の初版は2008年に発行されており、今回9年ぶりの改訂となる。パブリックコメントの募集は2月9日まで。それを受けての最終発表は2017年後半を予定している。

  AA1000APは、AccountAbilityが発行している「AA1000シリーズ」の一つで、企業や他の組織がサステナビリティ情報に関してアカウンタビリティ(説明責任)を果たすための3原則が記載されている。「AA1000シリーズ」の原点は、1999年に発行された「AA1000 AccountAbilityフレームワーク基準」の中で紹介された「持続可能な発展のためのアカウンタビリティ原則(AccountAbility Principles for Sustainable Development)」。その後2003年に、同原則の第三者保証をするための基準書「AA1000AS(Assurance Standard)」が発行され、ここに「AA1000シリーズ」の幕が開けた。また、2005年にシリーズ2つ目となる「AA1000SES(Stakeholder Engagement Standard)」が発行され、情報開示だけでなく、ステークホルダー・エンゲージメントのためのフレームワークが誕生した。

 この2冊体制が再編されたのが2008年。「AA1000AS」から、全体の原則に該当する記述が独立し、「AA1000APS(AccountAbility Principles Standard)」が制定され、「AA1000シリーズ」全体の原則書として位置づけられた。同時に保証ガイドライン「AA1000AS」も改訂され「AA1000AS 2008」が誕生した。一方の「AA1000SES」は2015年に改訂され「AA1000SES 2015」として現在も活用されている。今回のニュースは、この「AA1000APS 2008」の改訂版が、名称も変更し「AA1000AP 2017」として原案が公表されたというものだ。同時に「AA1000AS 2008」も改訂作業が実施されており「AA1000AS 2017」が今年中に披露される見通しだ。

【参考】AccountAbility、ステークホルダー・エンゲージメントの国際基準、AA1100SES 2015を公表(2015年12月7日)

 前回「AA1000APS 2008」が制定された2008年からの9年間で、サステナビリティ報告の世界は大きく進展している。そのため、「AA1000AS 2017」では昨今の他のガイドラインや業界動向、法規制などの変化を反映したものとなっている。大きな変更点は、「AA1000APS 2008」の柱である「3原則」そのものに変更が加えられた点。「AA1000APS 2008」では、「包括性の根本原則」「重要性(マテリアリティ)の原則」「対応性の原則」が定められていたが、これが新たに「包括性の原則」「重要性(マテリアリティ)の原則」「対応性の原則」「インパクトの原則」という4原則に置き換わる。新たに追加された「インパクトの原則」とは、組織やステークホルダーがもたらすインパクトや影響を説明していくというもの。そのため、サステナビリティの文脈で、インパクトを定性、定量、金額換算などの手法で測定し開示していくべきだとした。

 近年、GRIスタンダードやIIRCの統合報告フレームワーク等が登場する中、日本企業がサステナビリティ報告書やCSR報告書の中で「AA1000シリーズ」を直接参照するケースは減少しているように思う。しかし、AA1000では、2008年にいち早く「マテリアリティ」という原則を掲げ、その後GRIに盛り込まれていったように、「AA1000シリーズ」は他のガイドラインや基準を通じて、企業の情報開示の中に浸透し続けている。そのため「AA1000AS 2017」が「インパクトの原則」を盛り込んだ意味は大きい。

【参照ページ】Public consultation period on the latest AA1000 AccountAbility Principles opened
【フレームワーク】AA1000APS 2008(日本語訳)
【フレームワーク案】AA1000AP 2017のパブコメ募集プラットフォーム

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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