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【イギリス】「サーキュラーエコノミー推進でCO2と経済効果追求を両立」環境NGOのWRAP報告書

 英サーキュラーエコノミー推進NGOのWRAP(Waste & Resources Action Programme)は7月18日、電気・電子機器業界のサーキュラーエコノミー推進の意義や消費者の考えをまとめたレポート「Switched on to Value: Powering Business Change」を発表した。サーキュラーエコノミーの経済的効果は44億ポンドに上り、業界は毎年100万tの廃棄物、1400万tの二酸化炭素排出量を削減できるという。

 電気・電子機器への需要は増加しており、イギリスでは毎年200万tの商品が販売されている。メーカーのコストの約40%は原料が占め、需要が拡大し続ける中、希少かつ価格変動が激しい原料を必要とするメーカーの事業はサステナブルとは呼べない。

 WRAPは、電気・電子機器サステナビリティ・アクションプラン(ESAP)を通じ、業界の様々な関係者と持続可能な事業の構築に向けて働きかけてきた。例えば、英EコマースArgosと共同で、消費者が簡単にArgosの店頭で古い電子機器を下取りに出せる「ガジェット・トレードイン・サービス」を開始。また、Eコマース世界大手Amazonに対しては、中古品への需要が確実にあることを説得し、アマゾンが認定中古品取引を開始する原動力となった。

 報告書では、消費者の意識についても分析。

  • 消費者の約半数が、信頼できる小売店から中古品を購入することを厭わない
  • 消費者の個人情報の取扱いをうまく行うことで、不要になった電気・電子機器の回収を促すことができる
  • 83%の世帯が小売店の商品回収に興味を持っている

 WRAPの調査によると、60%の消費者が、不要になったなんらかの電気・電子機器を家に放置したままにしており、消費者の3分の2が個人情報の取扱いを懸念して使用済み商品を回収に出せずにいることが分かった。このような状況は、メーカーや小売店にとっては大きな機会であり、消費者にとっての障害を取り除きながらサーキュラーエコノミーを実現することで、顧客、環境、事業そのものにプラスの影響をもたらす。例えば、電子機器大手サムスンはWRAPと協働し、スマートフォンユーザー向けのレンタルサービスを開始。商品を販売するのではなくレンタルすることで、新製品のアップグレードを行うと当時に、古い機器をデータ消去を施すとともに、世界全体に再販売する仕組みを構築している。

 報告書はまた、商品の返品も、取組が必要な分野だと位置づけた。WRAPの調査によると、商品の返品率は、WRAPの関係者協働プロジェクトである「ESAP」の参加企業においても5%から10%程度と低い。英国の電気・電子機器市場300億ポンドの5%から10%は15億から30億ポンドと大きい。WRAPの消費者調査では、返品理由の約半分が商品の欠陥である一方、メーカーや小売側では製品の欠陥をほとんど把握できておらずギャップがある。メーカーや小売店が適切に返品を管理することで、無駄な商品の廃棄を減らし、コスト削減につなげられるという。

【参照ページ】Electricals industry could realise £billions in financial benefit

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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