国際環境NGOグリーンピースの英国支部グリーンピース英国は5月30日、中国政府発表の最新統計を分析し、中国の2018年の二酸化炭素排出量が非常に高いレベルで推移していることを明らかにした。1月から3月までの合計排出量が前年同期比4%増となっており、年間排出量も前年比5%増で2011年以来最大になると見通した。
中国政府は2016年以降、二酸化炭素排出量の削減に舵を切っており、今回の報告は意外性を持って受け止められている。最新の政府統計によると、石炭需要が3.5%増、石油需要が4.3%増、天然ガス需要が10%増加する一方、セメント生産量は4.5%下落していた。グリーンピース英国は、二酸化炭素排出量が急増している要因について、重工業やサービス業の発展に起因する電力需要の増加により、化石燃料需要が増加していると分析した。実際、中国の電力需要は2017年に6.7%増加し、2018年1月から3月までに9%も増加していた。中国は再生可能エネルギー発電所建設にも邁進しており、3%の電力需要増までは耐えられるが、現状はそれ以上の電力需要の伸びが見られる。
グリーンピース英国は、中国経済の構造について、中国の地方政府が経済成長を支えるカンフル剤として、依然として土地開発や重工業等の公共事業に依存していると分析。中央政府の努力にかかわらず、地方政府の動きには歯止めがかかっていないとした。このままの動きが続けば、中国以外の国々は、現状の努力よりもさらに2倍の二酸化炭素排出量を削減しなければならなくなると警鐘を鳴らしている。
【参照ページ】Dramatic surge in China carbon emissions signals climate danger
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