
国連食糧農業機関(FAO)は7月27日、2017年初旬にケニア、ソマリア、エチオピアで展開した「早期警戒早期アクション(EWEA)」プログラムにより、牧畜家の生活支援に大きな貢献があったことをまとめた報告書を発表した。支出1米ドル当たり9米ドルの費用対効果が得られたという。
気候変動による旱魃被害が深刻化する中、FAOはアフリカでの社会的弱者を支援するため、迅速に支援を行う体制づくり強化している。従来、国際機関の支援は、問題が発生した後に事後対応することが多かったが、対応アクション開始までに時間を要し、十分な効果を発揮できないでいた。FAOが2016年後半に導入した「早期警戒早期アクション」プログラムは、現地の植生、降水量予測、家畜の健康状態等を随時把握し、旱魃被害を先取りして現地牧畜家への支援を行うというもの。
アフリカの牧畜家は、やぎ、羊、牛、ろば等を遊牧し、家畜から取れる乳を大切なタンパク源として摂取している。しかし旱魃が発生すると、家畜が絶命するため、遊牧家庭の栄養が大きく減衰るとともに、重要な経営資源を失うことになる。
ケニアで2017年に実施したアクションは、早期警戒システムにより大規模旱魃を予測した後、すぐにFAO緊急時復興活動特別基金(SFERA)から40万米ドル(約4,400万円)を拠出し、牧畜家に家畜の餌を配布。これにより牛15,600頭と小型家畜35,400頭の命が救われた。支出1米ドル当たり牧畜家が得られた便益は3.5米ドル。不要となった事後援助費用も考慮に入れると全体で9米ドルの費用対効果が得られた。
【参照ページ】Acting early to prevent humanitarian emergencies
【レポート】Impact of Early Warning Early Action
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