【アジア・オセアニア】90%以上の消費者が「企業は社会課題を考慮すべき」。カンター・レポート 2018/12/23 最新ニュース

 マーケティングリサーチ世界大手英カンター(KANTAR)は12月10日、アジア太平洋地域の消費者に関心の高い社会課題と消費動向に関するレポート「PURPOSE IN ASIA」を発表した。「自分たちが直面している社会問題にブランドは取り組むべきだ」と回答する消費者が90%以上と非常に高かった。社会課題リストは、国連持続可能な開発目標(SDGs)を用いた。

 今回のレポートは、オーストラリア、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、台湾の9カ国を対象。18歳以上の合計3,000人にオンライン調査を実施した。加えて、Netbaseを利用したソーシャルメディア分析も実施し、各地域で最も重要と選択された課題に関する会話の中で文脈への理解を抽出した。

 各地域での議論が活発な社会課題に関して質問したところ、オーストラリア、シンガポール、台湾では気候変動が1位。インド、韓国でも2位に入った。次に高かったのはジェンダー平等で、フィリピンで1位、オーストラリア、マレーシア、台湾で2位に入り、タイとインドネシア以外では全て5位以内に入った。インドネシアの1位は健康とウェルビーイング、タイは貧困だった。

 一方、消費者が実際に関心の高い社会課題を質問したところ、オーストラリア、インドネシア、マレーシア、シンガポール、台湾では、健康とウェルビーイングが1位。他の3ヶ国でも3位以内に入った。また、貧困が、インド、タイで1位、その他韓国を除いて2位、韓国でも3位と、9ヶ国全てで3位以内に入った。気候変動は、台湾で3位、韓国で4位に入る以外5位以内に入らず、ジェンダー平等は全ての国で5位以内に入らなかった。

 人々が、社会課題解決に向けどのようにアクションを起こしているかについては、SNSで「いいね」や「シェア」をしていると回答した人が多数。実際にキャンペーン等のアクションに参加している人は少数だった。社会課題への態度でクラスター分析を行ったところ、「何も行動しない」グループが最多で43%。このグループに多いのは、高齢者、先進国の人々で、企業は社会課題に関心を示すべきではないという態度だった。「キャンペーン参加」グループは27%で、ボランティア等の活動に参加。多い属性は、若者やSNSで積極的に発信している人。「SNSフォロワー」グループは18%、フェイスブック活用派が多く、自らアクションは起こさないが、SNS上で活発な傾向にある。最後は「直接行動」グループで、新興国、34歳以下の若者の属性が多かった。

 消費行動については、社会課題に対応しているブランドの商品を買いたいと答えた人は、フィリピン(76%)、インド(74%)、マレーシア(64%)、台湾(63%)で60%を超える一方、オーストラリアだけは42%でネガティブだった。購入価格が多少上がっても良いと答えた人は、インド(80%)、フィリピン(71%)、韓国(66%)、マレーシア(65%)で60%を超えた。一方、オーストラリア(38%)、シンガポール(48%)と所得の高い国では低かった。但し、企業が社会課題を考慮すべきかという問いに対しては、全体で90%以上が「すべき」と回答した。

 今回の調査は、オンラインで実施されているため、母集団が各地域のオンライン環境へのインクルージョン度合いより偏りが出やすい。結果を解釈する場合は、このサンプリングバイアスを考慮する必要もある。さらに、社会課題への回答では、「本心とは別に社会的に求められていることに回答してしまう」 というバイアス「Social desirability bias」も作用しやすい。

【参照ページ】アジアの消費者は、自分たちが日頃から関心を持っている社会問題にブランドが取り組むことを期待している。
【レポート】PURPOSE IN ASIA

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

Facebookコメント (0)

ページ上部へ戻る