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【日本】政府、エネルギー供給強靱化3法案を閣議決定。FIP移行、送配電網強化、分散型等

 経済産業省は2月25日、エネルギー供給強靱化3法案が閣議決定されたと発表した。再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)から固定価格プレミアム上乗制度(FIP)への移行や、送配電網整備改革等が柱。今後、国会での審議に移る。

 同3法案では、まず「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(再エネ特措法)」を「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(再エネ特措法)」に改称した上で一部改正する。現行のFIT制度では、日本卸電力取引所(JEPX)での市場価格にかかわらず一定のため、市場原理によるコスト削減や電力ピーク時の電力供給増が進まない状況になっていた。そのため、JEPXでの市場価格に一定額をプレミアムとして上乗せするFIP(Feed-in-Premium)制度に移行する。対象電源や移行タイミングについては、調達価格等算定委員会で審議し、経済産業大臣が最終決定する。

 また、太陽光発電が適切に廃棄されない懸念に対応するため、発電事業者に対し、廃棄のための費用に関する外部積立を義務化する。対象は設備容量10kW以上の全ての太陽光発電事業者。調達期間の終了前10年間、源泉徴収的な外部積立が義務化される。廃棄処理が確実に実施されることが証明できれば積立金を取り戻すことができる。

 過去数年間指摘されてきた送配電容量のキャパシティ問題では、再生可能エネルギー発電事業者からの送配電網増強要請に送配電事業者(大手電力会社)が都度対応し、高額の請求書が送られてくるという現状を改めるため、増強要請の前にポテンシャルを見据えて計画的に対応する方式へと転換。整備コストでは、送配電事業者に対する売上上限(レベニューキャップ)を設定し、その上でのコスト削減は送配電事業者の利益になる方式を新たに導入。レベニューキャップは段階的に引き下げていく。また、地域間連系線等の増強費用負担では、再エネ特措法上の賦課金方式を導入する。

 また災害対策として、配電事業者に、災害時連携計画の策定を義務化。配電事業者が仮復旧等に係る費用を予め積み立て、被災した送配電事業者に対して交付する相互扶助制度を創設する。配電事業者に、復旧時における自治体等への戸別の通電状況等の情報提供も義務化。有事に民間企業による発電用燃料の調達が困難な場合、電気事業法に基づく経済産業大臣の要請の下、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法(JOGMEC)が天然ガス(LNG)等の調達を行うことも定めた。

 災害対策や地域復興で期待される分散型電力システムも位置づけた。一般送配電事業者の送配電網を活用して、新たな事業者がAI・IoT等の技術も活用しながら配電する事業者を「配電事業者」として電気事業法上に新たに創設。災害において倒木等により設備の復旧が長期化した山間部などの災害時・緊急時のレジリエンスを向上させるため、一般送配電事業者が再エネやコジェネ等の分散型電源を活用し遠隔地において配電網を独立化することも可能とした。

【参照ページ】「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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