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【アメリカ】新型コロナで240兆円の経済対策法成立。資金注入受けた大企業は自社株買い禁止・配当ゼロ

 米トランプ大統領は3月28日、新型コロナウイルス・パンデミック対策のための救済・経済刺激法案に署名。同法が成立した。同法案は3月25日に賛成96、反対0で連邦上院を通過。3月27日に連邦下院も通過し、即日大統領署名がなされた。

 今回成立の法律は「Care Act(H.R.748)」。対策予算は2.2兆米ドル(約240兆円)で過去最大。それまでに過去最大だった2009年の「復興法(Recovery Act)」の8,310億米ドルを大幅に上回る規模となった。

 救済措置では、まず失業補償を拡大。休業、ギグワーカー、フリーランスも含め、通常の失業給付から週600米ドル(約6.6万円)上乗せ支給する措置を4ヶ月間実施することを決めた。失業・休業給付の最長期間も、通常の26週間から今回は39週間に引き延ばした。これらの対策で2,500億米ドル(約27兆円)を用意した。労働時間が短縮させられた労働者に対しては、各州政府で手当する制度の整備を促進するため、連邦政府から州政府への助成金制度も設けた。

 中小企業の資金繰り対策では、2月15日から6月30日までの期間、給与や健康保険、賃料、光熱費、融資金利等を支払いを使途とする低金利、無担保、個人保証なしローンを提供する。さらに融資の一部は返済が免除される。対象は、従業員500人未満の事業者や非営利組織、退役軍人団体、先住民団体。融資額は月額平均人件費の2.5倍までで上限は1,000万米ドル(約11億円)。6ヶ月から1年間、返済も猶予される。同施策で3,670億米ドル(約40兆円)を確保した。

 大企業向けの救済策では、融資や信用保証で総額5,000億米ドル(約55兆円)を積んだ。航空会社に対して250億米ドル、航空貨物会社に対し40億米ドル、国家安全保障上重要な企業に対し170億米ドルを用意。財務省が株式もしくはシニアデットとして資金を注入する。残りの4,540億米ドルは、連邦準備制度理事会(FRB)の資金供給制度への拠出し、企業、州政府、自治体政府の資金繰りを支える。資金注入を受けた企業は、自社株買い、配当支払、従業員10%以上の削減が1年間禁止される。また、中小企業の向けのローンとは異なり、返済免除はない。

 経済刺激策では、納税者には一人当たり1,200万米ドル、16歳以下の子供がいる世帯は子供1人につき追加で500米ドルの現金支給を実施する。支給は小切手。但し、年収が75,000米ドル(約825万円)を超える世帯には、段階的に支給額を減額し、99,000米ドルを超えるとゼロになる。この対策に3,000億米ドル(33兆円)。また、感染者や隔離が必要となった人に対しては、積立退職年金から一定額を引き出せる制度も用意した。3年以内に返済すれば、罰則等は一切かけない。

 一方、新型コロナウイルス・パンデミック収束のための資金として、病院や医療保険等に対しては、1,300億米ドル(約14兆円)を支給。州政府と自治体政府にも1,500億米ドル(約16兆円)を拠出する。

【参照ページ】H.R.748 — 116th Congress (2019-2020)
【参照ページ】Remarks by President Trump at Signing of H.R.748, The CARES Act

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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