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【国際】CDP、空調・冷蔵世界18社の気候変動ランキング発表。1位米国企業、2位韓国企業

 環境情報開示を推進する国際NGOのCDPは6月2日、冷房・冷蔵大手18社の気候変動対応状況ランキングを発表した。首位は米国企業、2位は韓国企業。日本企業は3位が最高位だった。

 今回調査の対象となったのは、日本の三菱電気、パナソニック、ダイキン工業、日立製作所、三菱重工業、韓国のLG電子、サムスン電子、米国のキャリア、ジョンソンコントロールズ、トレイン・テクノロジーズ、レノックス・インターナショナル、中国のハイアール(海尔)、ハイセンス(海信)、グリー・エレクトリック(珠海格力電器)、ミデア・グループ(美的集団)、チゴ(志高空調)、インドのブル・スター。18社の時価総額合計は5,500億米ドル(約60兆円)にのぼる。

 分析は、気候変動移行リスクへの対応、移行機会への対応、ガバナンス・戦略の3つの観点から評価。CDPは啓蒙のため、同様の分析を各業種で順番に実施し、発表している。


(出所)CDP

 首位は、トレーン・テクノロジーズ、2位はLDK電子、3位に三菱電機が入った。日本企業は、三菱電機を除き、LG電子とサムスン電子の双方より下という結果となった。中国企業はいずれも下位だった。

 産業全体の傾向としては、実現技術は存在しているにも関わらず、省エネ性能の高い製品が十分に販売されていないと指摘。提供されている製品間で50%もの省エネ性能の差異が存在している。また、イノベーションへの投資が非常に少なく、資本財にかけられる投資額の平均が純売上高の3.5%であるのに対し、同産業ではわずか2.2%に留まっている。

 さらに、投資の多くが100年も昔から存在する圧縮機の効率改善に集中しており、スマートグリッド、再生可能エネルギーといった変革的な需要に対応するソリューションに向けられているものはわずか5%にすぎなかった。特許の申請状況をみても、その60%が圧縮機に関するもの。二酸化炭素排出量の削減目標に関しては、18社中4社(22%)しか、2050年までのバリューチェーンを含めた目標を持っていないと指摘した。このうち、日立製作所と三菱電気が80%削減を掲げており、ダイキン工業とエレクトロラックス(スウェーデン)がネットゼロ(カーボンニュートラル)目標を持っている。

 冷蔵庫やエアコン等の製品は、温暖化が進む中で生活のために不可欠なものとなる。現在の冷房・冷蔵産業の市場価値は3,000億米ドル(約33兆円)。製品の需要は今後伸び続け、2030年の販売数は2019年と比較し40%近く成長すると見られている。一方で、これらの製品の使用による環境負荷も増している。空調機による炭素排出は1990年から3倍増加。空調機の使用は建物における消費電力量増加の大半を占めており、また空調機に含まれるHFC等のフッ化炭素(強力な温室効果ガス)の漏出も気候変動を加速させる。

 今後、同産業が大幅に温室効果ガス排出を削減し、パリ協定を達成に貢献していくためには、市場に提供する製品のエネルギー効率の基準を厳しくすること、技術革新・研究開発に注力することが必要であると言及した。

【参照ページ】Cooling sector failing on low carbon opportunity

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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