スイス医薬品大手ロシュは7月29日、同社子会社中外製薬開発のアクテムラ(一般名:トシリズマブ)について、第III相COVACTA試験の結果、主要評価項目である新型コロナウイルス関連肺炎の成人重症入院患者の臨床状態の改善が見られなかったと発表した。データの解釈には詳細解析が必要だとしたが、本試験においてアクテムラは、プラセボ投与群との有意な差が認められなかった。
同試験は、米保健福祉省(HHS)の事前準備・対応担当次官補局(ASPR)の取り組みの一環として、米国、カナダ、欧州で、米生物医学先端研究開発局(BARDA)と共同実施。アクテムラ静脈内投与と標準的な医療措置を併用し、安全性・有効性について、プラセボと標準的な医療措置の併用と比較した。
主要評価項目は、新型コロナウイルス関連肺炎の成人重症入院患者の臨床状態の改善。患者の臨床状態は、集中治療や人工呼吸器、酸素投与の必要性等7カテゴリー順序尺度で評価された。結果としては、主要評価項目の他、「4週目時点の死亡率」「退院までの期間」「人工呼吸器未使用日数」等、副次評価項目でもアクテムラ投与群とプラセボ投与群の間に統計学的に有意な差は認められなかった。
同社は、アクテムラの新型コロナウイルス関連肺炎治療薬としての評価を行うため、COVACTA試験に加え、REMDACTA試験を含む複数の臨床試験も開始。企業主導以外の臨床試験も多く実施している。
【参照ページ】Roche provides an update on the phase III COVACTA trial of Actemra/RoActemra in hospitalised patients with severe COVID-19 associated pneumonia
【参照ページ】COVID-19関連肺炎による重症入院患者を対象としたアクテムラの 第III相COVACTA試験の最新情報について
【参照ページ】ロシュ社による、新型コロナウイルス感染症を対象としたアクテムラのCOVACTA試験最新情報の提供について
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