世界経済フォーラム(WEF)は12月21日、バイオエンジニアリング(生物工学)の展望について、短期、中期、長期について3つの予測シナリオを紹介した。バイオエンジニアリングは潜在的に功罪があり、政治、社会、経済におけるインパクトを早期に議論しながら、人類にとっての向かい方を検討していく必要があると提言した。
WEFは今回、バイオエンジニアリングには、人工臓器、ゲノム合成、ゲノム編集、手術のコンピューターシミュレーション、医療用画像技術、組織/臓器再生等の活用が検討されている一方、使い方を間違えると公共衛生、プライバシー、環境の安全性の驚異となったり、兵器等で活用されたりする可能性もあるとプラスとマイナスの両面があると問題提起した。
そのため、バイオエンジニアリングそのものや、バイオエンジニアリングがもたらす将来へのインパクトについて、早くから市民の間で議論をしていくことが重要とした。バイオエンジニアリングは、気候変動、不平等、技術格差の是正等でのソリューションとしても期待されている側面もありつつ、倫理や規制の在り方、テクノロジーの誤用等を考慮しながら、情報を社会に十分に伝えながら政策の意思決定をしていくべき分野と捉えた。
そこで、今回、ケンブリッジ大学の外部性リスク研究センターが5月に発表した科学者の間での予測シナリオを紹介した。そこでは回答参加者の考えを深めていくためデルファイ法と呼ばれる手法を用い、意見の集約を行った。同シナリオでは、5年未満、5年から10年、10年以上の3つの期間について、出現していくるであろうバイオエンジニアリングの技術活用分野を提示した。
(出所)WEF
【参照ページ】3 scenarios for how bioengineering could change our world in 10 years
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