アフガニスタンの首都カブールを占領した政治勢力タリバンは8月17日、初の公式記者会見を開催。女性の社会的権利を認めることや、軍事行動を停止意思、元兵士や政府高官にも報復しないこと宣言した。しかし、現地の女性や関係者の間では懐疑的な見方も出ている。
タリバンは、1996年から2001年までアフガニスタンの約4分の3の地域を実効支配し、シャリア(イスラム法)の厳格な解釈を実施。女性の就労や通学は禁止され、男性の親族が同伴した上でブルカを着用することでしか外出も認められなかった。また当時、紛争過程で、家屋や田畑を焼き払い、数多くの餓死者が出たことも非難されていた。当時には、パキスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)が政府承認を行っていた。
タリバンは、米国311事件の後、米軍主体の国際治安支援部隊(ISAF)との戦闘に破れ、勢いが低下。その後、ISAFにより新政権としてカルザイ政権が樹立。しかし、アフガニスタンの国造りが順調に進まない中、米トランプ前大統領が政権中に米軍撤退を表明。その後、2021年にタリバンが息を吹き返し、数ヶ月で首都を占領。アフガニスタン軍は数日で崩壊したとも言われている。米バイデン大統領は、トランプ政権の方針を維持し、米軍撤退を決めた。アフガニスタンのガニ大統領は8月15日に国外脱出した。
タリバンは今回、共同創設者の一人ムラー・アブドゥル・ガーニ・バラダー氏が10年以上ぶりにアフガニスタンに戻ったと発表。同氏は、2010年に逮捕されたが、和平交渉に参加できるようトランプ前政権の要請で2018年に釈放されていた。
タリバンは今回、他国との平和的な関係を望むとも発表。一方、国連安全保障理事会は16日、アフガニスタンの情勢について緊急会合を開催し、対応を協議している。バイデン大統領と英ジョンソン首相は、来週G7オンライン会議を開催することでも合意した。国連人権理事会も来週特別会合を開催し、タリバン支配後に懸念される人権問題を協議する。
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