飲料世界大手ベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)は9月21日、南アフリカ再生可能エネルギー導入推進GreenLine Africaとスウェーデンのソーラーコレクター(太陽熱集熱器)製造アブソリコンと協働し、モザンビーク・マプート醸造所に太陽熱エネルギープラントを建設すると発表した。同プラントが導入完了した場合、同醸造所での燃料消費と二酸化炭素排出量を40%削減可能。
同社は、2025年までに二酸化炭素排出量を2017年比25%削減と100%再生可能エネルギー転換が目標。同目標達成に向け、環境スタートアップ発掘プロジェクト「100+ Accelerator」等も展開している。100+ Acceleratorには、食品世界大手米コカ・コーラ・カンパニー、消費財世界大手英ユニリーバ、消費財世界大手米コルゲート・パーモリーブ等も参画を表明済み。
【参考】【国際】ABインベブ、環境スタートアップ発掘プログラム第3期募集開始。コカ・コーラ、ユニリーバ、コルゲートら参画(2021年4月26日)
今回協働するGreenLine Africaは、同プログラムで2020年に発掘したスタートアップ。マプート醸造所の飲料容器洗浄ステーションでの太陽熱利用の実証で、助成金を得ていた。しかしABインベブは、アブソリコンの実証プラントが稼働している企業を尋ね、太陽熱エネルギーシステムのパフォーマンスを評価。実証プロセスのスキップし、本導入を決定した。アブソリコンのソーラーコレクターは、飲料世界大手デンマークのカールスバーグも導入済み。
【参考】【ギリシャ】カールスバーグ、醸造所の熱エネルギーで太陽熱集器を実証導入。2022年から1年間(2021年7月13日)
ソーラーコレクターは、2021年下半期に第1期導入を行い、2022年上半期に第2期、第3期導入を行う。完成するとソーラーコレクターで1万m2、プラント全体で2.2万m2の規模になる。醸造所の熱需要の30%は、太陽熱エネルギープラントから供給、10%は熱貯蔵で賄う。
同社はその他の醸造所での太陽熱エネルギー活用の検討も進めている。カナリア諸島の醸造所では、日中の蒸気生成を太陽光エネルギーで代替し、ボイラーへの負荷低減を図る。
さらに同社は9月14日、米ジョージタウン大学に委託し実施した、同社の5年間の有害飲酒防止プログラム「Smart Drinking Goals」のインパクト測定で、業界をリードする先進性が認められたと発表した。
同社は、保健機関や政府との共同プログラム「City Pilots」や、消費者向けのノンアルコール・低アルコール商品の販売、マーケティング活動でのアルコール関連の社会的規範の啓蒙、製品ラベル表示等を積極的に実施。有害な飲酒の防止は、消費者と自社双方に解決メリットのある課題だと結論づけた。
【参照ページ】AB InBev invests in solar thermal energy to meet ambitious sustainability goals
【参照ページ】Georgetown Case Study examines how AB InBev’s Smart Drinking work Contributes to the Reduction of Harmful Alcohol Use