ファーストリテイリングは12月2日、サステナビリティ主要領域に2030年度目標を設定し、アクションプランを策定したと発表した。
具体的には、衣類サプライチェーン上での二酸化炭素排出量、再生原料活用やリユース・リサイクルの強化、廃棄物量削減、責任あるサプライチェーンの構築、ダイバーシティ&インクルージョンの促進等に注力する。
衣類サプライチェーン上での二酸化炭素排出量削減では、2030年までにスコープ1、スコープ2での二酸炭素排出量を2019年比90%削減、スコープ3での同排出量を同年比20%削減し、100%再生可能エネルギーへ移行する。同目標は9月に発表済み。科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)の承認も得た。
同社は2020年1月、2050年までに二酸化炭素ネット排出量をゼロ(カーボンニュートラル)にするコミットメントを宣言。「ファッション業界気候行動憲章」にも署名済み。
【参考】【日本】ファストリ、2030年CO2排出量削減目標でSBTi承認。再エネ100%移行も(2021年9月21日)
【参考】【日本】ファストリ、ファッション業界気候行動憲章に署名。日本企業では2社目。脱石炭火力も(2020年1月16日)
事業活動での二酸化炭素排出量削減では、店舗での電力使用量の省エネ化を進める他、2021年度末までに国内ユニクロ8店舗でのLEED認証を取得。今後は、店舗設計の段階から、省エネ性能の高い店舗フォーマットを開発し、 2023年中に実証店舗の出店を目指す。
再生可能エネルギーへの移行については、2021年8月末までに欧州9ヵ国のユニクロ64店舗が切り替えを完了。北米や東南アジアの一部の国・地域でも、今期中に切り替え完了見込みだと語った。
サプライチェーンでの二酸化炭素排出量削減では、11月までに、ユニクロおよびジーユーの生産量の9割を占める主要工場を対象に、個別工場の課題を把握。省エネ化や再エネルギーの導入を進めている。削減計画の確実な実行に向け、生産部・サステナビリティ部150人によるモニタリングと進捗管理プロセスも整備した。
再生原料活用やリユース・リサイクルの強化では、2030年度までに全使用素材の約50%をリサイクル素材等に転換。2019年以降、段階的にリサイクル素材の導入を進め、ユニクロでは2022年春夏シーズン商品で、全ポリエステル素材の約15%に回収ペットボトルからの再生素材を使用している。
廃棄物削減では、 商品包装、輸送途中の段ボールやビニール袋、ハンガー等の削減、切り替え、再利用、リサイクルを推進。2019年からプラスチックバッグを段階的に紙製バックに切り替えた他、ジーユーでは、レジでの商品ハンガーを回収し、工場で再利用する取り組みを開始した。2020年には、ユニクロとジーユーで、商品輸送時の梱包材をリサイクルしやすいよう、単一素材への切り替え・統一に着手。2021年からは、梱包材等のリサイクルに向け、店舗での分別、回収、リサイクル処理の実証を一部地域で開始した。
責任あるサプライチェーンの構築では、監査を実施している縫製工場、素材工場に加え、さらに上流の紡績工場から原材料調達レベルまでいたるサプライチェーン全体のトレーサビリティ確立を目指す。2022年3月を目途に、継続取引のある全縫製工場を開示予定。
同社は2017年、主要縫製工場のリストを公開済み。2018年からは主要素材工場に開示を拡大している。その他には、植物系素材、動物系素材に調達方針を設定。倫理的かつ責任ある方法での原材料調達を進める。
ダイバーシティ&インクルージョンの促進では、2030年度までにグローバルで全管理職における女性比率を50%に引き上げ、次世代のリーダー・経営者の育成を強化。LGBTQ+従業員および消費者に配慮した事業環境の実現、障がい者雇用、店舗のユニバーサルデザイン化、消費者の不便を解消する商品やサービスの拡充を行う。
【参照ページ】LifeWearは「新しい産業」へ 2030年度目標とアクションプランを策定 - 社会の持続可能性と事業の成長を両立する新たなビジネスモデルへの転換を加速
【画像】ファーストリテイリング
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