石油化学世界大手サウジ基礎産業公社(SABIC)は6月9日、フィンランド林業大手UPMキュンメネ傘下の包装ラベル製造子会社UPM Raflatacが、同社の海洋プラスチック由来原料を採用した包装ラベル素材をリリースしたと発表した。同社の再生ポリプロピレン(PP)の包装ラベルでの採用は今回が初。
今回リリースされた包装ラベル素材「オーシャン・アクション」のプロジェクトでは、マレーシアのリサイクル企業HHIの現地パートナーが廃棄プラスチックを回収。HHIのケミカルリサイクル技術により、熱分解油に還元。その後、SABICが熱分解油を原料としてポリプロピレンを生成。それを二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)フィルム製造米Taghleefが、フィルムに加工し、UPM Raflatacにラベル原料として提供する。
SABICが供給するサーキュラーエコノミー型のポリプロピレンは、化石燃料由来のバージン・ポリプロピレン同様の機能を有するため、今回のラベル素材でフィルム加工やラベルの製造工程に変更はなし。食品や日用消費財(FMCG)向けでも使用できる。
製造工程で使用される廃プラスチックは、海洋プラスチック防止促進NGOゼロ・プラスチック・オーシャンズ及びコントロールユニオンが、海洋プラスチックごみ由来製品認証「オーシャンバウンド・プラスチック(OPB)」を付与。生産したラベル素材では、サーキュラーエコノミー認証のISCC+も取得した。
SABICは近年、海洋プラスチックごみからのケミカルリサイクルを複数展開しており、今回のアクションもその一環。
【参考】【国際】SABIC、海洋プラごみのケミカルリサイクルでPBT樹脂製品開発。家電製品等での活用期待(2022年5月22日)
【参考】【マレーシア】SABICと現地企業HHI、海洋プラごみから高品質のポリオレフィン生産。ケミカルリサイクル(2021年12月1日)
【参照ページ】SABIC COLLABORATES WITH UPM RAFLATAC TO LAUNCH THE WORLD’S FIRST LABEL MATERIAL MADE FROM CERTIFIED CIRCULAR OCEAN BOUND PLASTIC
【画像】SABIC
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