化学世界大手独BASFとマレーシアのリサイクル大手3Tインダストリーズは7月19日、マレーシアのパイナップル農園で使用するプラスチック向けのリサイクル支援で協働すると発表した。
3Tインダストリーズは、パイナップル栽培時に、果実の保護用途で使用する高密度ポリエチレン(HDPE)栽培袋で、リサイクル高密度ポリエチレン(HDPE)含有率100%の栽培袋を使用。その栽培袋の生産工程で、プラスチックのマテリアルリサイクルを支援するBASFの添加剤シリーズ「IrgaCycle(イルガサイクル)」の「UV033 DD」を初めて採用した。
イルガサイクルは、BASFが2021年に開発した添加剤。再生プラスチックとバージン原料を組み合わせ、加工性の制限、長期熱安定性の低さ、屋外風化からの保護性能等を改善し、高品質プラスチックへのリサイクルを可能にする。
【参考】【ドイツ】BASF、廃プラのマテリアルリサイクル性能を向上させる添加物リリース。サーキュラー(2021年9月18日)
パイナップル栽培は、温暖湿潤な気候に適している一方、日射や32℃以上の高温の影響を受けやすい。日焼けや白化現象等、果皮下の組織がダメージを受けると、害虫や病気へも感染しやすくなってしまう。そのためHDPE栽培袋等を活用し、直射日光からの果実の保護と光合成が可能な状態を両立する必要がある。
3Tインダストリーズではこれまで、生産者の性能要件の耐用年数4シーズンを満たすため、酸化防止剤と光安定剤を組み合わせて使用してきた。今回BASFのイルガサイクルの導入により、投与の簡易性と製品の品質向上を実現した。具体的には、予備混合が不要になり、添加剤が低濃度でも効能が高いため、添加剤使用量も削減できた。
BASFはその他、製品加工時や屋外での風化に備え、再生ポリマーを安定させるための技術的なアドバイスも提供した。
【参照ページ】BASF’s IrgaCycle™ stabilizes recycled plastics used to protect pineapples from sunburn in Malaysia
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