石油化学世界大手サウジ基礎産業公社(SABIC)は6月27日、食品世界大手米クラフト・ハインツ、英小売大手テスコ、米包装・容器製造ベリー・グローバル、英ケミカルリサイクル技術Plastic Energyと協働し、軟質プラスチック食品容器のサーキュラーエコノミー化に向け、英国でケミカルリサイクル実証を行うと発表した。
テスコは2月、ベリー・グローバルとの協働で小売店舗で消費者から回収した軟質プラスチックのマテリアルリサイクルを開始したと発表済み。今回さらにSABIC及びクラフト・ハインツと協働することで、ケミカルリサイクルによる再生ポリプロピレン(PP)を活用したハインツのベイクドビーンズ商品「Beanz Snap Pots」を提供する。
【参考】【イギリス】テスコ、店舗回収軟質プラのリサイクル開始。ベリー・グローバルと協働(2022年2月17日)
クラフト・ハインツは、2025年までに世界中で容器を100%リサイクル可能、再利用可能もしくは堆肥化可能な素材に切り替えるのが目標。今回のアクションはそれらの一環。
【参考】【国際】クラフト・ハインツとパルペックス、100%紙製ケチャップ容器を共同開発へ(2022年5月28日)
テスコは、同社小売店舗に軟質プラスチック容器の回収ボックスを設置。回収した容器を、Plastic Energyの嫌気性熱分解(TAC)型の廃プラスチック・ケミカルリサイクル技術により再生油脂「TACOIL」に転換する。その後、SABICがTACOILを活用し、サーキュラーエコノミー型素材ブランド「TRUCIRCLE」の再生ポリプロピレン(PP)を製造。再生軟質プラスチック含有率は39%。サーキュラーエコノミー認証のISCC PLUSも取得している。
さらにベリー・グローバルは、再生ポリプロピレン(PP)から容器を製造。クラフト・ハインツで、ベイクドビーンズを充填し、テスコで販売する。同商品は電子レンジで加熱可能で、食品接触材安全規制の要件も満たしている。使用後は再度テスコで回収する。
軟質プラスチックはリサイクルが難しく、2020年まで英国でのリサイクル率は6%。近年、テスコを含む各社が軟質プラスチック・リサイクルの実証を進めている。
【参考】【国際】ダウ、再生プラ含有樹脂でリサイクル・トレーサビリティ認証取得。PE化合物で世界初(2022年7月17日)
【参考】【オーストラリア】プラ製造QenosとCleanaway、ケミカルリサイクル実証でMOU。同国第1号目指す(2022年2月24日)
【参考】【ヨーロッパ】ペプシコ、2030年までに全チップス商品包装での化石由来バージンプラ廃止(2022年1月28日)
【参照ページ】SABIC, TESCO, HEINZ & BERRY JOIN FORCES IN CLOSED-LOOP PROJECT FOR HEINZ BEANZ SNAP POTS BASED ON CERTIFIED CIRCULAR PP
【画像】SABIC
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