【国際】ダウ、リサイクル可能なセリフシーリングシリコン開発。ブリヂストン採用

　化学世界大手米ダウは10月26日、世界初のリサイクル可能なセルフシーリングシリコン「SiLASTIC SST-2650」を開発したと発表した。ブリヂストンがタイヤシーラント技術「B-SEALS」で採用した。タイヤの内面にセルフシール層を形成するよう設計。パンクが生じても、空気圧を維持して長距離走行できる。

　従来のセルフシーリングタイヤは、リサイクルできず、また、複雑な高温塗布工程や、コーティング前のタイヤ表面への大規模なレーザー洗浄が必要なため、生産時のエネルギー消費と環境負荷が大きかった。

　そのためダウが今回開発したSiLASTIC SST-2650では、タイヤとシーラントを分離できるよう設計。タイヤとシリコンの双方のリサイクル性を高めた。さらに、スペアタイヤを不要にすることで、車両の重量軽減、航続距離と燃費の向上、自由な設計を可能にした。

　また同社は、シリコンシーラントの薄い層だけで耐穿孔性、長期安定性、気密性を実現。同社独自の素材技術でシーラントの加工性を高めたことで、同素材を使用したタイヤのプレ洗浄やプレコンパウンディングを不要にした。これにより、室温で標準的な装置での迅速な製造を可能にし、加工コストの削減にも成功した。

　今回のアクションは、二酸化炭素排出量を2020年比15%削減し、2050年までにスコープ3を含むバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル（二酸化炭素ネット排出量ゼロ）を達成する同社目標の一環。但し、同社目標には、製品での削減貢献量が含まれており、同量をカーボンニュートラルに換算することは、国際慣行では認められていない。

【参照ページ】Dow launches the world’s first recyclable silicone self-sealing tire solution

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所