食品世界大手米モンデリーズ・インターナショナルは12月13日、2050年までにスコープ3を含むバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル目標について進捗状況を発表した。同時に、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)のFLAG(森林・土地・農業)ガイダンス及びEU森林破壊・森林劣化規則(EUDR)に基づき2025年までの森林破壊ゼロにもコミットした。
同社は2021年、スコープ3を含む2050年カーボンニュートラル目標を発表し、SBTiの「Business Ambition for 1.5°C Pledge」にも署名。今回進捗状況を開示した。
【参考】【国際】モンデリーズ、スコープ3含めた2050年カーボンニュートラル発表。原材料や流通等でも(2021年11月2日)
原材料では、チョコレートでのカカオ原料で、「Cocoa Life Program」を通じた調達率を2025年までに100%、ビスケットに使用する小麦も「ハーモニー・プログラム」での調達率を同じく2025年までに100%にすることを目標として掲げている。
カカオでは2022年、24.6万の農場マッピング、農家22万人へのトレーニング提供、植林670万本を行った他、リジェネラティブ農業への投資も継続。共同モニタリング・メカニズム「カカオ&森林イニシアチブ(CFI)」の創設企業として、気候変動に配慮したカカオ生産慣行やアグロフォレストリー・モデルの展開を進めている。
小麦では、欧州でリジェネラティブ農業の強化憲章を展開。パートナー農家と協働し、輪作の多様化、肥料使用の最適化に向けた意思決定ツール統合、現地での研修プログラムの提供等を行った。
酪農では、欧州の酪農家と農場単位での二酸化炭素排出量削減プログラムを進め、すでに従来比で6%から10%程度の排出量削減を達成した。
スコープ2の削減では、全事業所での使用電力を100%再生可能エネルギーへの転換、ビスケット・オーブンと蒸気ボイラーの省エネ化、熱源のグリーンな代替燃料への転換等を目標として標榜。電力購入契約(PPA)、太陽光発電パネルの敷地内(オンサイト)設置、再生可能エネルギー証書(REC)の購入、欧州事業でのオーブンの電化による天然ガス使用量削減、バイオエネルギー転換等を進めた。
ロジスティクスでは、電気自動車(EV)トラックと、燃料電池(FCV)トラック等への投資、物流施設での再生可能エネルギー導入や、輸送ルートの最適化、流通ネットワークの効率化による移動距離短縮、インターモーダル・ソリューション等を進めた。
新たにコミットした森林破壊ゼロでは、2024年12月30日までに欧州事業で、2025年12月31日までに、原材料生産での森林破壊ゼロを目指す。森林減少のカウントでは、EUDRとFLAGガイダンスに基づき、2020年12月31日を基準とする。対象は、カカオ、パーム油、大豆、紙・パルプ。サプライヤーへのエンゲージメントを進める。
【参照ページ】MONDELĒZ INTERNATIONAL ADVANCES PROGRESS TOWARD 2050 NET ZERO EMISSIONS GOAL
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