世界経済フォーラム(WEF)は1月8日、グローバル協調度の年次評価レポート「世界協力バロメーター」を新たに発行した。コンサルティング世界大手米マッキンゼーと協働で指標を開発した。国際協調は政府だけでなく、企業の協調も対象となっている。
世界協力バロメーターは、2012年にまで遡り、貿易・資本、イノベーション・技術、気候・自然、健康・福祉、平和・安全保障の5つの柱で合計42の指標を評価した。さらに5つの数値を合計した総合指数も発表した。
2012年以降の状況では、貿易・資本、イノベーション・技術、気候・自然の3つの観点で国際協調が進展。しかし2020年以降に関しては、平和・安全保障が大きく低下。健康・福祉も停滞している。5つの平均スコアでは、2020年以降は2%減少した。
同レポートでは、グローバル協調を向上させる鍵として、基礎研究開発の協働と、生成AI等の先端技術に関する規制調和の2つを挙げた。また、政府と企業のリーダーに対する提言として、競争と協力を対立する概念と考えず、「共同競争(より広範な競争関係にあるにもかかわらず、協力の機会を見出すこと)」を実践することを伝えた。また、デカップリングではなく多様化を追求することや、状況を大きく俯瞰しダイナミックな方向を目指すことで、協調分野を見出すことができるようになるとした。取締役会の専門性を高めるためにも、グローバル協調の専門家等を招いたセッションを行うことも有効とした。
また同レポートは、グローバル協調は、企業が率先してきた分野であり、最近では政府についても感覚が芽生えてきていると認識。そのうえで、ますます官民連携が重要になっているとした。
【参照ページ】New Global Cooperation Barometer: Cooperation Possible Is Even in Midst of Competition
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