
米エネルギー省は3月25日、カーボンニュートラルに向け、工業セクター及び食品セクター向けの補助金支給先候補を発表した。33のプロジェクトに、総額最大60億米ドル(約9,000億円)が支給される。財源は、インフラ投資雇用法とインフレ抑制法(IRA)。
今回の補助金は、アルミニウム等の金属、セメント・コンクリート、石油化学、鉄鋼、食品等、温室効果ガス排出量の多い「Hard-to-Abate」と呼ばれるセクターに焦点を当てる。33プロジェクトで、年間1,400万t以上の削減効果がある見込み。横展開ポテンシャルが高いものが選定された。また、選定先プロジェクトは、地域コミュニティや従業員とのエンゲージメントを確実に実行する包括的な地域社会便益計画の策定が求められており、雇用創出や雇用転換にもつなげる。また、バイデン大統領の「ジャスティス40イニシアチブ」に基づき、選定されたプロジェクトの約80%が、社会的支援が必要な地域に立地している。
選定された33のプロジェクトは、石油化学が7件、セメント・コンクリートが6件、鉄鋼が6件、金属が5件、食品・飲料が3件、ガラスが3件、プロセス熱が2件、パルプ・製紙が1件。工業部門特有の省エネ、電化、クリーン水素等の代替燃料や原料生産プロセス転換等が対象となった。米国以外に本社を置く企業も選定された。
選定されたプロジェクトは、民間投資も含め、総額200億米ドル以上が動員される予定。各プロジェクトで開発される新技術では、排出量を平均77%削減できる。今回発表された候補企業は、今後、詳細の審査に入り、審査に通過すると最終選定先となる。選定後も、各プロジェクト段階で評価が入り、評価に合格すると資金が供給される。
【参照ページ】Biden-Harris Administration Announces $6 Billion to Transform America's Industrial Sector, Strengthen Domestic Manufacturing, and Slash Planet-warming Emissions
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