
富士通は4月23日、世界の企業経営者(CxO)を対象にしたサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)達成状況や取り組みに関して調査した報告書「富士通SX調査2024」を発表した。
同報告書は、世界15カ国、600名のCxOを対象にSXの達成状況や新たな価値創造に関する取り組みについて調査したもの。対象国は、オーストラリア、カナダ、中国、フィンランド、フランス、ドイツ、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、韓国、スペイン、タイ、英国、米国、日本。年間売上高5億米ドル(約785億円)以上の11業界の企業を対象に調査を実施した。
同報告書では、今後5年間の最優先課題はサステナビリティと回答したCxOの割合は70%。2023年の前回報告書の57%から13ポイント上昇した。しかし、サステナビリティ戦略から具体的な成果を得たと回答した割合は約26%しかなかった。
全体では進捗や成果が鈍い一方で、SXの取り組みが大きく進展しているグループ「チェンジメーカー」が存在。全体の9%を占めるチェンジメーカーの81%が、サステナビリティ戦略から具体的な成果を得ていると回答。第三者機関や政府が設定する基準等の外部のサステナビリティ目標に対しても70%が目標を上回っており、59%が過去12ヶ月間に収益が増加したと回答した。
チェンジメーカーの特徴を「長期的な視点で地球環境と社会貢献につながる価値創出に重点を置いている」「組織の枠組みを超えたデータ利活用に優れている」の2つだとした。特に、具体的な成果が出た取組の上位3つは、「廃棄物の削減」「健康的で働きやすい環境の推進と労働力不足解消」「情報セキュリティの確保」だった。
企業や組織がチェンジメーカーに進化するためのステップとして、「組織の目的の定義と明確な指標の設定」「エンドツーエンドなSX戦略策定と実行」「データ利活用の促進」「データを中心とした他組織とのコラボレーション」の4つのステップを提唱した。
日本企業の特徴として、短期的な財務利益を追う傾向があると指摘。また、日本のチェンジメーカー以外の企業は「デジタル格差の解消」「従業員・顧客の健康確保や向上」「顧客・消費者体験の向上」が具体的な成果が出た取り組みの上位を占め、チェンジメーカーや世界の企業が進んでいる「情報セキュリティの確保」「気候変動対策」で苦戦しており、財務価値に直結しにくい非財務指標に関する取り組みが遅れているとした。
【参照ページ】Fujitsu SX Survey reveals key success factors for sustainability
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