
欧州委員会は6月4日、「欧州水レジリエンス戦略」を採択した。気候変動による影響も含め、持続可能な水管理と水レジリエンスを強化するため、3つの重点分野を定めた。
欧州では、生態学的に良好な状態にある地表水域が全体の37%にとどまり、化学的に良好な状態にある水域も全体の29%しかない。さらに、持続不可能な管理や汚染、産業・農業活動および都市部からの水需要の増加により、水ストレスが高まっている。EU世論調査では、EU市民の78%が、水関連の問題に対処するための追加政策を求めていることもわかっている。
重点分野の1つ目は、水源から海洋までの水循環環境の保全・再生。現行の水枠組指令や洪水管理指令に基づく政策を改善し、水量と水質の双方でマネジメントを深化。また、陸地における保水力の向上、水質汚染の効果的な防止、飲料水中のPFAS(ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物)等の汚染削減も進める。
2つ目は、この戦略は、水効率の向上。2030年までにEU域内の水効率を10%以上向上させる目標を定めた「水の効率性に関する勧告」を同時に採択し、EU加盟国に対し、各々の地域や国の事情に基づき、水効率に関する独自目標を設定させる。その一環として、EU加盟各国の水道管の漏水削減や水道インフラを近代化も進める。
3つ目は、清潔で安価な水・衛生設備の確保。家庭や企業の節水を促するためのベストプラクティス共有を促進する。
同目標の達成に向け、欧州投資銀行は、「水プログラム」と「持続可能な水に関する助言ファシリティ」を創設し、2025年から2027年にかけて150億ユーロ以上のファイナンスを提供する予定。AIを含めたスマート・デジタル・メーターの導入も促進する。欧州委員会としても、洪水や旱魃に対するEUのリアルタイム早期警報・監視システムを強化し、欧州レベル、国レベル、地方レベルでの連携を強化する。
【参照ページ】Commission launches strategy to enhance water security for people, economy and environment
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