ファーストフード世界大手米マクドナルドは2月15日、健康NGOのAlliance for Healthier Generationと協働し、子ども用セットメニュー「ハッピーセット」のメニューを改定すると発表した。2022年までに、120ヶ国で販売するハッピーセットで、栄養バランスの取れ、人工物を減らしたメニューに変更。同時にメニュー表示やマーケティングも変える。さらに、子供の読書週間向のイニシアチブや、医療的ケア児を持つ家族の支援も継続する。
マクドナルドが主導するファーストフードに関しては高カロリーという健康問題があり、マクドナルドがバッシングされる際の一つの要因となっていいる。マクドナルドは2013年からAlliance for Healthier Generationと提携。まずハッピーセットのメニューボードからソーダを除外した。これにより、セットメニューで水や牛乳、ジュースを注文する割合が14%増加した。その後、割合は増え続け、2013年12月には38%に。2017年12月には52%にまで増えた。反対に、同期間にソーダ水を注文する割合は62%から48%に減少した。その他、主要20ヶ国でもメニューの健康面改善を実施。多くの国では計画が前倒しで進んでいる。
今回の発表は、120ヶ国での2022年にまでの新たな目標となる。
2022年までのグローバル目標
- 2022年までに、セットメニューの50%以上が「600カロリー以下」「飽和脂肪からのカロリーは10%以下」「ナトリウム650mg以下」「糖質カロリー10%以下」の基準を満たす国割合を現行の28%から50%に上げる。イタリアでは、ハッピーセットに「ジュニアチキン」メニューを追加。オーストラリアでは野菜や脂肪分の少ないタンパク質の提供を開始。フランスは野菜メニューの提供を計画中
- 人工調味料、着色料、人工保存料を削減する。米国では2016年にマックナゲットで人工保存料、人口調味料、着色料の使用を停止済
- ウェブサイトやモバイルアプリでのハッピーセットの栄養情報の提供
- 子供と対象としたハッピセットのマーケティングでは、同社や地域毎の栄養基準を順守
- 顧客が果物や野菜、低脂肪乳製品、全粒穀物、低脂肪分タンパク質、水等のメニューを選ぶようマーケティングを変更
マクドナルドの基幹市場である米国では、取組が先行して始まっている。米国ではすでに2018年6月までに全ハッピーセットで「600カロリー以下」「飽和脂肪からのカロリーは10%以下」「糖質カロリー10%以下」が達成見込み。ハッピーセットの78%では「ナトリウム650mg以下」が達成見込み。加えて今回さらに高い目標を設定した。
- メインメニューボードには、ハンバーガー、マックナゲット4個入と6個入りのみ表示。チーズバーガーは消費者が注文した場合のみ提供
- 6個入りマックナゲットセットに含まれるフライドポテトのサイズを「スモール」から「キッズサイズ」に変更し。カロリー削減とナトリウム量半減
- チョコレートミルクのレシピを変更し、糖質の含有量を削減。ハッピーセットのメニューボードからチョコレートミルクを外し、消費者が注文した場合のみ提供
- 昨年にはすでにハッピーセットメニューのドリンク選択肢に水が追加
- 2017年12月に全店舗でアップルジュースを「Honest kids Appley Ever After」のオーガニックジュースに変更。従来の果汁100%ジュースより45カロリー削減。糖質含有量も削減
マクドナルドは、主要20ヶ国での取り組み結果を、Alliance for Healthier Generationやその他第三者機関と協力しながら、2年に一度対外的に公表する予定。
また、子どもの読書習慣向上イニシアチブ「ハッピーミール・リーダーズ」では、2019年までに100か国で展開する目標を掲げた。同イニシアチブは2001年に開始以来、3億7,000万冊の本を子どもたちに届けている。ロナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティー(RMHC)を通じた医療的ケア児を持つ家族の支援では、医療的ケア児が家族とともにいられる滞在スペースを過去40年間続けてきた。現在、世界64か国・地域には364のロナルド・マクドナルド・ハウス、227のロナルド・マクドナルド・ファミリールーム、49のロナルド・マクドナルド・モバイルがあり、2017年で合計240万泊分のサービスを提供した。
【参照ページ】McDonald's Announces Global Commitment to Support Families With Increased Focus on Happy Meals
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