経済協力開発機構(OECD)と国際エネルギー機関(IEA)は9月1日、化石燃料に対する政府の減税額や補助金額が2020年から2021年にかけて倍増したと発表した。2020年の3,624億ドル(約51兆円)から2021年の6,972億ドル(約100兆円)へと伸長した。
今回の発表は、世界の総エネルギー供給量の約85%を占める世界51カ国の化石燃料に対する政府支援額をOECDとIEAのデータを合わせて分析したもの。IEAは、国際市場での価格と、直接価格規制、価格設定方式、国境管理や税、国内購入または供給義務等の手段を用いて人為的に低く抑えられた国内消費価格を比較する手法で、化石燃料補助金の推定値を算出している。
2021年に2倍にまで増えた大きな要因は、新型コロナウイルス・パンデミックからの経済回復。2022年には、燃料価格の上昇に伴う政府補助金の増額も加わり、化石燃料消費に対する補助金はさらに増加すると予測されている。
OECDとIEAは一貫して、化石燃料支援を段階的に廃止し、エネルギー安全保障と省エネの改善、低炭素エネルギーの開発に向けて公的資金を再投資するよう訴えてきたと強調。低所得世帯向けに講じた化石燃料消費への補助金は、結果として燃料やエネルギーをより多く使用する富裕層世帯を支援する傾向にあるため、より対象を絞った支援に置き換える必要があるとした。
(出所)OECD
【参照ページ】Support for fossil fuels almost doubled in 2021, slowing progress toward international climate goals, according to new analysis from OECD and IEA
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