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【中南米】米州開発銀行、ラテンアメリカ・カリブ海地域のBOP層向け住宅ビジネスに関するレポートを公表

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IDB(Inter-American Development Bank:米州開発銀行)は6月25日、ラテンアメリカ・カリブ海(Latin America and the Caribbean、以下LAC)地域に住むBOP(Base of the Pyramid)層の住宅課題を解決する様々な新しいビジネスモデルについて分析した研究報告書「Many Paths to a Home: Emerging Business Models for Latin America and the Caribbean’s Base of the Pyramid」を発表した。

LAC地域では、約40%の家庭が過密住宅、修復不可能な住宅、表札や水、下水道設備、電気など生活に十分な設備がない住宅に住んでいる。今回の報告書ではコロンビア、メキシコ、ニカラグア、パラグアイ、ペルーに見られる11の企業や組織のビジネスモデル研究を通じて、これらの地域におけるBOP層向け住宅市場の包括的な特徴をまとめている。報告書の主なポイントは下記の通り。

  • BOP層は毎年最高で56.7億ドルを住宅に投資しており、BOP層の高い購買力を裏付けている
  • 特に都市郊外における低所得者層及び不法居住者の継続的な増加は、BOP層が彼らの住居を改善する能力と意思を持っていることを示している
  • BOP住宅市場の不均質性は、カスタマイズされた商品やアプローチを必要としている
  • インクリメンタル・ハウジング(資金やニーズに応じ、数年をかけて徐々に段階的に住宅を建設していく方法)は現在のところBOP層が住宅を建てる際に主流となっており、このアプローチは様々な異なる環境に適応可能で、BOP層の多数を占める融資を受けられないような人々でも入手可能なものとなっている

また、報告書の中ではBOP層の個別ニーズに合った入手可能な住宅ソリューションの提供においては民間セクターがとても重要な役割を担いうるとしたうえで、新築住宅とインクリメンタル・ハウジング双方のタイプの住宅ソリューション、ビジネスモデル事例が紹介されている。

具体的には、LAC地域でBOP層向け住宅ソリューションを提供している建設会社、建築資材サプライヤー、住宅セクターにおけるNGO、金融機関などの様々な企業、組織のビジネスモデル分析を通じてBOP層向けビジネスの成功要因が特定されており、低賃金、不安定な収入といったBOP層の生活要因を考慮した小口の担保・融資の仕組み、政府による住宅補助金、インクリメンタル型の住宅ソリューションモデルなどが挙げられている。

また、報告書内で示されているビジネスモデル事例はいずれもBOP層の住宅課題解決につながっているだけではなく、同時に十分なリターンをもたらしている点も重要なポイントだ。

Opportunities for the Majorityのマネジャーを務めるLuiz Ros氏は、「今回の報告書では様々な市場の状況に対応して開発された異なるビジネスモデルに共通する成功要因を詳細に分析しており、LAC地域におけるBOP住宅市場について関心を持っている政策立案者、民間セクター、金融機関にとってはとても役に立つツールとなるだろう。」と語る。

Opportunities for the Majorityとは、市場ニーズに基づく持続可能なビジネスモデルの促進とファイナンスを目的としてIDBが2007に設立した組織で、企業や地元政府、コミュニティなどが一緒になってLAC地域のBOP層に対する品質の高い商品・サービスの開発・提供を進めている。

報告書は各事例のビジネスモデルとそのポイントが非常に分かりやすくまとめられているので、興味がある方はぜひ見てみてほしい。レポートは下記からダウンロード可能。

【レポートダウンロード】Many Paths to a Home: Emerging Business Models for Latin America and the Caribbean’s Base of the Pyramid
【企業サイト】Inter-American Development Bank
【参考サイト】Opportunities for the Majority

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