米国の消費者意識に関する興味深い調査結果が公表された。米国のコミュニケーション戦略支援会社、Gibbs-rbb Strategic Communications(以下、Gibb-rbb社)が10月15日に公開した消費者意識調査レポート”Conscious Consumer™ Study“によると、米国人は持続可能な形で生産された食料品に対し、平均して31%多く支払ってもよいと考えているという。
同調査によれば、米国の家庭は平均して1週間に119.30ドルを食費として支払っているが、消費者は地球や人間の健康、そして食糧資源の安全性を高める方法で生産された食料品に対しては追加で1週間に37.30ドルを追加で支払ってもよいと回答したとのことだ。
Gibbs-rbb社のマネージング・ディレクターを務めるJeffrey R. Graubard氏は今回の調査結果を受け、「Conscious Consumers(意識の高い消費者)は自身の財布を通じて意思を表明し、サプライチェーン全体を通じ食料品マーケッターに対して新たな課題を突きつけている。彼らは自身の価値観に合うブランドを選び、そうでないブランドを割けるようになってきている。まさに、現代の食品産業においてダーウィンの『適者生存』が起きており、消費者に対して一貫して透明性の高い形で共感を生む価値を伝えることのできた会社が生き残ることができる」と語った。
今回の調査結果の主なポイントは下記の通りだ。
- 平均して、米国人は安全かつ持続可能な形で生産された食料品に対して31%多くを支払ってもよいと考えている。
- 食料品のサプライチェーンで起こるスキャンダラスなニュースは、顧客ロイヤルティに大きく影響を与えうる。
- 消費者は食料品を選択する際に健康・安全・廃棄物削減の三点をとても考慮している。
- 信頼できる人からの口コミ、ジャーナリスト、小売企業や食品企業が、それぞれの食品企業のCSR活動に関する情報源として重視されている。
- 男性より女性のほうが、食料品ブランドを信用する際の重要な要因として、動物や労働者の健康と安心について気にかけている。
- 男性より女性の方が、食料品を購入するかどうかの選択基準として、環境に優しい包装材の使用や労働環境について気にかけている。
Conscious Consumer Studyの調査結果は、2014年8月27?29日にかけて18歳以上の米国人2,010名に対してオンラインで実施された、ハリス世論調査により得られたもの。
米国を含む多くの国では「食料品店で販売されている食品は安全」という状況は決して当たり前のことではなく、消費者はより多くのお金を支払ってでも信頼できるブランドから購入したいと考えている。
食料品サプライチェーンのグローバル化・複雑化により食の安全や健康に対するリスクが年々高まりを見せる中、それらのリスクにどう対処し、顧客の信頼を獲得できるかが、食料品企業や小売企業にとってより重大な事業課題となってきている。
同調査の詳しい内容は下記からダウンロード可能。
【レポートダウンロード】Conscious Consumer™ Study
【企業サイト】Gibbs-rbb Strategic Communications
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