製造業がサプライチェーンマネジメントにおける統合アプローチを実現し、サステナビリティと効率性の双方の観点からサプライチェーンの最適化を行う上では3PL(サードパーティーロジスティクス:物流機能全般を第三者企業へ委託するサービス)の担う役割について考えることが重要だ。その3PLにおいて、昨今ではモバイルテクノロジーの活用が最適化の鍵を握るポイントととなってきている。
製造業・IT企業向けコンサルティングを展開するIDC Manufacturing Insightsが3月24日に発表した調査報告書"Use of Mobility Tools in the 3PL Industry"によると、3PL業界では統合やパフォーマンス改善を実現する上でモバイルテクノロジーの重要性がより高まっているという。レポートの著者であり、IDC Manufacturing Insightsにて研究マネージャーを務めるJohn Santagate氏は「モバイル戦略を通じて3PL事業者は製造サプライチェーンの更なる効率化を実現し、付加価値の高いサービス事業者として優位なポジションを築くことができる」と語った。
IDCはモバイルテクノロジーの進化に伴い、サプライチェーンの機動性はより高まっていくとしている。特に3PLは顧客とその顧客の顧客、そして自社内部のオペレーションとのバランスをとらなければならないことを考えると、3PL事業者にとってモバイルテクノロジーの重要性はとても高いとしている。3PLに関連するモバイルアプリケーションには下記のようなものが含まれる。
- モバイル分析ダッシュボード
- モバイル端末へ直接送られるアラートやレポート
- 監視・追跡能力の改善
- 運送中荷物のためのGPS機能
- 製品状況のモニタリング
- 重要文書への即時アクセス
- 顧客管理(CRM)へのモバイルアクセス
同報告書によると、3PLオペレーション上におけるモバイル端末の利用により、運送企業は製品位置情報や入手可能性、流通過程の管理だけではなく、オペレーション、パフォーマンス、製品データの可視化もできるようになるという。これらのサプライチェーンの隅々にいたるまでの製品の移動に関する価値あるデータを提供することで、サプライチェーンのパートナー企業はより効率的なサプライチェーンの構築に向けて協働することが可能になるという。
製品の製造段階に留まらず、サプライチェーン全体においてサステナビリティへの考慮を行うことも製造業にとっては重要な課題の一つだ。サプライチェーン・物流の最適化によりロスを減らすことは環境負荷削減だけではなくコスト削減にもつながり、財務面、非財務面の双方で大きな成果を得ることができる。そこで重要性を増しているのがモバイルテクノロジーの活用だ。モバイルテクノロジーによるデータ収集と可視化はサプライチェーン最適化を更に一歩推し進める大きな可能性を秘めている。物流・サプライチェーンに関わる方はぜひ昨今の3PLにおけるモバイル戦略トレンドを把握しておきたい。
【レポートダウンロード(有料)】Use of Mobility Tools in the 3PL Industry
【企業サイト】IDC Manufacturing Insights
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