SNS大手のフェイスブックは7月27日、いまだインターネットにつながっていない世界の50億人の人々に対して無料でインターネットへのアクセス機会を提供するプロジェクト「Internet.org」が、最初の対象国であるザンビアで開始してから1周年を迎えたと発表した。
フェイスブックはこの1年間、17カ国に渡る多数の携帯電話事業者らと協働し、人々に対する無料のインターネットアクセス提供に向けて尽力してきた。その結果、無料でインターネットにアクセスできるモバイルアプリのInternet.orgは10億人以上の人々に利用されるようになったという。
同社の目標は、Internet.orgを通じてより多くの人々をオンライン環境に呼び込み、インターネットの価値を実感してもらうことだ。そしてそれは現状のところ順調に進んでいる。フェイスブックによると、サービス開始以来、Internet.orgは平均50%以上のスピードでモバイルネットワークに新たなユーザーを呼び込んでおり、Internet.orgを通じてオンラインに接続した人々の半数以上が30日以内に有料のネットサービスにアクセスしているとのことだ。また、6月のIntenert.orgを通じたヘルスケアサービスへのアクセス数は100万回以上にも上っているという。
また、フェイスブックはInternet.orgが2年目を迎えるにあたり、更なるサービス拡大に向けてパートナー携帯電話事業者向けのポータルの開設を発表した。技術ツールおよびベストプラクティスを含むパートナーポータルを通じ、どの携帯電話事業者も新たな国でInternet.orgにより簡単に接続することができるようになった。
同社は先日も開発者向けプラットフォームのInternet.org Platformをオープンしており、開発者がInternet.orgと融合したサービスを容易に開発できる環境を提供している。同社はより多くの携帯電話事業者および開発者と協働し、世界中のインターネットアクセス拡大を目指す。
インターネットが世界や産業のインフラとなりつつなる中、もはやインターネットへのアクセスは基本的な権利と言えるまでにその重要性を増している。フェイスブックが主導するInternet.orgは、世界中の人々が平等な機会を得られるようになるという意味でも非常に意義が大きいプロジェクトだ。
また、同プロジェクトを通じてインターネット利用人口が増加することは、フェイスブックの長期的な事業成長にとっても大きな意味を持つ。フェイスブックやグーグルなどのIT大手企業らは既にグローバル市場を寡占しつつあり、次なる成長戦略として、パイの奪い合いではなくどうすればパイ自体が拡大するかという方向に軸を傾けつつある。Internet.orgは長期的な事業成長と社会的意義の双方を兼ね備えた壮大なサステナビリティ活動だと言える。
【参照リリース】One Year In: Internet.org Free Basic Services
【団体サイト】Internet.org
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