フランスのエネルギー大手、トタルは8月24日、南アフリカにある子会社、Total Coal South Africaの地元企業への売却完了に伴い、石炭の生産から撤退すると発表した。トタルは昨年7月に同子会社を南アフリカ4番手の石炭輸出業者、Xccaroに譲渡する契約を締結しており、このほど南アフリカ政府の承認を得た。8月20日付で投資引揚げを完了している。
トタルのCEOを務めるPatrick Pouyanné氏は、今年の6月に石炭からの完全撤退を宣言していた。今回の売却完了にあたり、同氏は「今回は我々の戦略の一貫性と信頼性に関わる案件だった。気候変動問題に直面し、当社は最もクリーンな化石燃料である天然ガスの利用を促進することにコミットしている。天然ガスの特長は特に発電時に2倍もの温室効果ガスを排出する石炭との比較で顕著だ。我々は他の燃料よりも多くの温室効果ガスを排出する石炭を生産・販売し続けながら、気候変動の解決策を提供していると主張することはできない。採掘からの撤退に加え、石炭販売業務からも手を引くことを決定した。2016年末までに石炭業界との関わりを終えるだろう」と述べた。
トタルは石炭生産からの撤退に加え、今後はエネルギーミックスにおける天然ガスの割合増加、サンパワー社との提携による太陽光エネルギーの推進、エネルギー効率の強化などに取り組み温室効果ガス排出削減を進めていくとしている。
気候変動の悪影響を懸念する機関投資家らによる化石燃料からの投資引揚げが相次ぐ中、エネルギー企業らは早急な事業方針の転換に迫られている。
【参照リリース】Total Confirms Its Withdrawal from Coal Production and Marketing
【企業サイト】Total
【参考サイト】Total agrees to sell South African coal subsidiary to Exxaro
(※写真提供:Luckeyman / Shutterstock.com)
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