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【中国】フォード、中国市場での新戦略。都市・環境問題対策に重点。IoTも積極化。 2015/12/18 最新ニュース

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 自動車世界大手のフォードは10月21日、中国市場での新たな戦略を発表した。柱となるのは中国市場の特有な課題やニーズを考慮し、中国市場に最適化させた製品開発や市場開拓。フォードは中国での自動車販売シェア約5%。フォルクスワーゲンの16%、GMの15%、現代自動車8%に対して遅れを取っている。今回新戦略を掲げ、シェア拡大に挑む。ちなみに、日本勢のシェアは、日産は5%強、トヨタは約4%、ホンダ約3%という状況だ。

 フォードが発表した新戦略の柱を要約すると、(1)車内でのインターネット環境を充実させる独自システム「SYNC3」の投入、(2)SYNC3でのテンセント社アプリ・サービスとの融合、(3)渋滞緩和のためのカープール推進で嘀嗒(Dida)社のアプリと提携、(4)近隣移動用小型ハイブリッド車の投入、(5)米MyEnergi Lifestyle社が中国で取り組む包括的家庭省エネ化プロジェクトへの資金協力、(6)中国地域社会プログラムへの5,000万人民元の資金提供。都市公害や環境問題が深刻化する中国市場特有の課題に焦点を当てる。

 北京や上海などの中国の大都市部では渋滞問題が深刻化している。日本では運転手にインターネット利用を勧めることはあまり考えられないが、中国では渋滞時に運転手がインターネットを利用して時間を潰すというのはありふれた日常光景だ。その運転手に対して利便性を向上させるため、音声認識技術などIoTを取り入れたハンドフリーのインターネット環境を構築するというのが「SYNC3」の基本的な考え方だ。そのSYNC3に、高い市場シェアを誇るテンセント社のアプリ・サービスを融合させ、中国市場に最適化させる。さらに、渋滞問題を緩和させるために、最近中国ではヒッチハイクのように相乗りサービスが大きく成長しており、その相乗り車検索を可能にするDida社のアプリと提携し、運転手が相乗りサービスへの参加することを容易にしていく。

 最近米国で広がるコンセプトNEV(ネイバーフッド・エレクトリック・ビークル)という近距離型のハイブリッド車を中国市場に提供することも大きい。今回、中国市場にプラグイン型ハイブリッド車”CMAX Energi”とハイブリッド車”Mondeo”を市場に投入することを発表。低燃費の自動車を普及させていくことで、排ガス問題の軽減やユーザーの燃費低減に貢献していくという。さらに、自動車という枠だけでなく、家庭全体のエネルギー効率を上げていくため、米MyEnergi Lifestyle社が中国で展開するプロジェクトに資金協力をし、再生可能エネルギー、高エネルギー効率家電、プラグイン型電気自動車を融合させていく研究に力を入れる。

 これら中国市場の開拓のため、南京リサーチ・エンジニアリングセンターなどで今後R&Dを加速。今回の発表では、その投資規模は114億人民元となることを明かした。

 地域社会プログラムへの資金提供の分野では、今後5年間で5,000万人民元規模となる。メインの内容としては、すでに同社が62カ国で展開し、中国でも2000年から実施している「フォード環境保護賞」の拡大と緑化プロジェクトだ。緑化プロジェクトでは、大都市部の現地NGOに対して、マネジメント能力を向上させるためのトレーニングプログラムを展開しており、その内容を拡充していく。フォード環境保護賞では2000年からの15年間で賞金に2,010万人民元を、緑化プロジェクトでは2012年からの3年間で526万人民元を投資してきたが、今回発表の今後5年間で5,000万人民元は、資金規模としては数倍規模となる。

【参照URL】福特在华社会责任新战略 将再投入5千万
【参照URL】Ford Brings Accessible Innovation to China; Changing the Way the World Moves Again

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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