工業情報化部、国家発展改革委員会、科学技術部、財政部、環境保護部、商務部、海関総署、国家品質監督検査検疫総局は2016年1月6日、共同で発表を行い、「中国版RoHS指令」の改正法を公布した。今回公布されたのは「電気電子産品有害物質制限使用管理弁法」。中国が2006年2月に公布、2007年3月に第一段階が発行した「電子情報製品生産汚染防止管理弁法」は電気産品の特定有害物質の使用制限を規定するもので、「中国版RoHS指令」と呼ばれてきた。今回公布されたものは規制を強化する改正法、2015年5月に草案が公表されており、今回ついに公布に至った。2016年7月1日に施行となる。
旧法では電子情報製品だけが対象となっていたが、新法では冷蔵庫や洗濯機など家電製品を含めた幅広い電気電子製品が対象となる。新法は第三条で「電気電子産品」とは何かを定義しており、電気または電磁力を用い、直流1500ワット以下、交流1000ワット以下の全ての製品が新法と対象だ。但し、発送電関連製品は今回の規制の対象外となる。工業情報化部は今回の法律の制定にあたり、「中国企業はこれまでダブルスタンダードを用いてきている。海外向けには海外の厳しい規制基準を満たすため有害物質の使用制限する一方、国内向け製品については相応の措置をとらないという事態を招いていた」と指摘。海外との規制水準との差を埋めることを主眼としている。
使用制限される有害物質も拡大される。旧法では鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル (PBDE)の使用が制限されていただけだったが、新法では、PBBとPBDEは同様だが、「鉛及びその化合物」、「水銀及びその化合物」、「カドミウム及びその化合物」、「六価クロム及びその化合物」と化合物も対象となる。また、旧法と同様、「国家が規定するその他の有害物質」についても規制対象となる。
管理方法も強化される。旧法では政府が定める「重点管理リスト」に載った製品を対象とし、対象製品については「強制認証制度」を適用し、認証がないと中国国内で販売できない仕組みだった。しかしながら、パソコン等旧法が規制対象とした製品は製品サイクルが2〜3ヶ月と短いものが多く、上市タイミングを逃し、企業の損失が大きくなることが懸念されていた。結果的に、旧法では第1ステップとして定めた、「環境保護使用期限マーク」や「リサイクルマーク」の表示義務だけが施行されており、第2ステップの強制認証制度は施行されないままだった。新法ではこれを改め、強制認証制度を正式に廃止、「重点管理リスト」に替わり「基準到達管理リスト」で製品品目毎の規制物質や規制基準値を定める「合格評価制度」を導入する。合格評価制度で定められる基準値には、政府が定める法定基準や業界基準とする。
また、新法では新たに国家の科学技術開発に関する内容も盛り込んだ。規制有害物質の代替物質や減量化の開発に向け、科学研究、技術開発と国際協力のサポートを政府が推進していく。
基準到達管理リストや合格評価制度の詳細については、今後施行までに工業情報化部が作成していくと見られている。
【参照URL】《电器电子产品有害物质限制使用管理办法》解读
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら