金融指数世界大手のS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスとSRI格付機関大手のRobecoSAMは4月19日、ESG投資向けのスマートベータ用インデックスとして、「S&P ESGインデックスシリーズ」を開発したと発表した。このインデックスは、先進国全体、米国、欧州、日本の各地域のS&P DJSI地域別指数をベースとした上でESGファクタースコアで重み付けを行ったポートフォリオ。ESGを単独要素としたインデックスとして世界初。
「S&P ESGインデックスシリーズ」は、先進国全体を対象としたS&P Global 1200 ESG、米国市場向けのS&P 500 ESG、欧州市場向けのS&P Europe 350 ESG、日本市場向けのS&P/TOPIX 150 ESGの4種類がある。ESG評価にあたっては、RobecoSAMが毎年実施しているCorporate Sustainability Assessment(CSA)のデータを用い、Smart ESG methodologyという独自の手法を使って業種ごとに財務パフォーマンス影響度の強い項目が考慮される。S&PはすでにDJSIというサステナビリティに関するインデックスを開発・運用しているが、今回の新たにESGのみに焦点を当てたS&P ESGインデックスシリーズを開発した。
一方、ESG評価データのもととなったCorporate Sustainability Assessment(CSA)には課題が指摘されてもいる。CSAは、RobecoSAM社から各企業にアンケートを送付し、その回答が分析データのもととなるが、アンケートの回答率は3分の1程度だという。回答した企業にも分析結果は無料では開示されず、結果の詳細開示は有料オプションとなっている。今回のインデックス発表によって回収率が上がる可能性もあるが、回収率が低いままであればインデックスのユニバースが小さいままとなってしまう。CSA回収率の動向とインデックスとしての有用性に今後注目していきたい。
【参照ページ】S&P Dow Jones Indices and RobecoSAM the First to Launch Indices Using ESG as a Smart Beta Factor
【インデックス】S&P ESG Factor Weighted index family
【参考ページ】RobecoSAM Corporate Sustainability Assessment
【参考ページ】Smart ESG – optimizing the power of ESG scores
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