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【インド】児童労働規制強化法が制定、家族経営企業労働を容認したことにユニセフは批判

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 インド連邦上院(ラージヤ・サバー)は7月19日、児童労働(禁止及び規制)修正法案を通過し、インド連邦下院(ローク・サバー)も7月26日に通過、同法案が成立した。この法律は、全ての産業において14歳以下の児童労働を禁止することを定めるもの。また14歳から18歳までは危険を伴う労働に従事させてはならない。違反雇用主に対しては懲役3年以下と5万ルピー以下の罰金が科される。但し、例外規定があり、家族経営企業での放課後や長期休暇中の労働は規制しない。今回の法律制定の背景には、インドで根強く残る児童労働を抑止する狙いがあるが、早速国際機関やNGOからは今回の法律に対する批判の声が上がっている。
  
 国連児童基金のインド支部、ユニセフ・インディアは7月25日、児童労働修正法が、家族経営企業での児童労働を容認したことに対し、家族労働を合法化し、貧しい家庭の子供たちの不利益を助長しかねないとする声明を発表した。ユニセフ・インディアは、この修正法により、ILO条約が「危険を伴う職業」と定めている職種リストを実質的に無効化してしまい、不法な環境下での児童労働につながってしまう可能性があることについても懸念している。

 インドではおよそ1,020万人の子供たちが働いているという。2011年の国勢調査によると、児童労働に従事する割合は、指定部族で6.7%、指定カースト(いわゆる「不可触民」階級を指す)で3.9%と最も高くなっている。どちらのグループにおいても、地方部に住む児童のほうが都市部にすむ児童よりも多く労働に従事している傾向にあり、労働している多くの少年少女が学校をやめざるをえなくなっている。また、全体として働く少年少女の数は減ってはいるものの、都市部での児童労働は増えつつある。背景には、上京あるいは人身売買の結果、危険を伴う産業や建設現場での労働を強いられている実態があるという。とりわけ、綿、腕輪、巻たばこ、織絨毯などの製造や金属加工業などに多い。ユニセフ・インディアは、「家族経営の手伝いをする子供たち」という条件を除くよう強く勧告している。

 さらに、今回制定した法律には人身売買に関する言及一切ない。ユニセフ・インディアは、全ステークホルダーの責任を確証する健全な監視機構が必要だとの見解も示した。同時に、徹底的に危険を伴う職業を洗い出し、定期的なチェックを進めること、また、新たなものが出てくれば追加してくべきであるとも勧告した。

【参照ページ】UNICEF concerned about amendments to India’s Child Labour Bill

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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