米ESGコンサルティングGovernance & Accountability Instituteは7月18日、フォーチュン500とフォーチュン・グローバル500に選出された企業を対象にした、サステナビリティレポートの質の分析した報告を発表した。Governance & Accountability Instituteは、サステナビリティ報告基準策定GRIの米国、英国、アイルランドの独占データプロバイダー。同社は、GRIのサステナビリティレポート・データベース「Sustainability Disclosure Database」のうち、米国、英国、アイルランドの3ヶ国で発行されたレポートの内容をGRIのために無償で分析、報告している。
同社は2011年にS&P500採用企業を対象にしたサステナビリティレポートの分析を開始し、今年で6回目。初年度の2011年には、対象企業の80%がサステナビリティレポートを発行しておらず、欧州に比べ大きく遅れをとっている実態が明らかとなった。その後、毎年発行企業数は増加し、2012年には53%、203年には72%、2014年には75%、2015年には81%、そして今回2016年には82%が発行していた。
米国での発行企業数が伸びてきたことで、今回同社はレポートの質に焦点を当てた。そこで、ニューヨーク市立大学バルーク校のワイズマン国際ビジネスセンターのCSR-Sustainability Monitor(CSR-S Monitor)チームと協働し、フォーチュン500とフォーチュン・グローバル500に選出された企業のサステナビリティレポートの内容を分析した。CSR-S Monitorは、企業幹部メッセージ、環境、慈善活動・コミュニティ、外部ステークホルダー・エンゲージメント、サプライチェーン、労使関係、ガバナンス、腐敗防止、人権、行動規範、高潔性保証の11項目で独自のスコアリングを実施している。今回は、この手法を基に、GRIガイドラインを参照している企業のレポートの質が良いかどうかを分析した。
まず、CSR-S Monitorチームが保有している対象企業572社のうち、481社がGRIガイドラインを参照、91社が参照していなかった。続いて1社ずつ100点満点で評価を実施、グループ毎の平均値を出した。
分類 | GRI参照 | GRI非参照 |
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総合評価 | 45.7 | 29.6 |
環境 | 64.9 | 51.0 |
労使関係 | 55.8 | 36.7 |
サプライチェーン | 46.6 | 28.2 |
腐敗防止 | 26.4 | 10.4 |
高潔性保証 | 31.0 | 13.3 |
人権 | 45.0 | 15.0 |
サプライチェーン | 46.6 | 28.2 |
ガバナンス | 28.4 | 19.2 |
慈善活動・コミュニティ | 67.1 | 63.3 |
外部ステークホルダー・エンゲージメント | 35.3 | 15.2 |
経営幹部メッセージ | 54.2 | 44.0 |
分析結果からは、GRIガイドラインを参照しているレポートのほうが、総合評価並びに各11項目全てにおいてスコアが高かった。
【参照ページ】RESEARCH RESULTS: Using The GRI Sustainability Reporting Framework Improves The Quality of ESG Disclosures - Joint Research From G&A Institute and Baruch College Shows
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