Skip navigation
サステナビリティ・
ESG金融のニュース
時価総額上位100社の96%が
Sustainable Japanに登録している。その理由は?

【国際】フォーチュンのCSV観点企業ランキング「Change the World 2017」発表。日本企業1社ランクイン

 「フォーチュン500」、「フォーチュン・グローバル500」などで知られる米ビジネス誌のフォーチュン誌は9月7日、事業を通じて社会に変革をもたらしている企業ランキング「Change the World 2017」を発表し、トップ50社を選出した。このランキングは2015年から開始され、今年で3年目。選出対象は年間売上10億米ドル以上の企業。ランキングの発表は、ハーバード・ビジネス・スクールのマイケル・ポーター教授やマーク・クラマー教授らが設立したコンサルティングNGOのFSGとCSV推進機関Shared Value Initiativeが協働で実施している。「Change the World」ランキングの特徴は、マイケル・ポーター教授らが提唱する「CSV(共通価値創造)」の観点から、(1)企業が生み出したソーシャルインパクト、(2)ソーシャルインパクトが企業自身にもたらした成果、(3)イノベーションの3つの観点で、独自に企業評価を行う点にある。

Change the World 2017 トップ15企業

  1. JPモルガン・チェース(金融)(米国)
  2. DSM(化学)(オランダ)
  3. アップル(IT)(米国)
  4. ノバルティス(医薬品)(スイス)
  5. LeapFrog Investments(金融)(モーリシャス)
  6. Ant Financial(金融)(中国)
  7. ウォルマート(小売)(米国)
  8. トヨタ自動車(自動車)(日本)
  9. ジョンソン・エンド・ジョンソン(医薬品)(米国)
  10. ヤラ・インターナショナル(化学)(ノルウェー)
  11. リーバイ・ストラウス(アパレル)(米国)
  12. SAS(IT)(米国)
  13. ベンディゴ・アンド・アデレード銀行(金融)(オーストラリア)
  14. ネスレ(食品・消費財)(スイス)
  15. テンセント(IT)(中国)

Change the World 2017 日本企業

8. トヨタ自動車(自動車)

 評価観点である「ソーシャル・インパクト」では、社会課題に対して企業が影響を発揮したソーシャル・インパクトをフォーブスとFSCが独自の情報源を活用して評価を行っている。また、「企業自身にもたらした成果」の観点では、そのソーシャル・インパクトがもたらした企業への具体的な財務的価値を測定しており、とりわけ収益性の向上や株式価値の貢献に繋がった場合は高く評価される。一方で、レピュテーションや従業員満足などの成果に関しては考慮されるものの相対的な価値は収益貢献などより低い。「イノベーション」観点では、ソーシャル・インパクトをもたらし活動が革新的であり、他の企業にとっても広がりを見せる可能性のあるものが高く評価された。

 同ランキングは、毎年ランクインする企業が大きく変わる傾向にある。昨年から2年連続でトップ15入りを果たしたのは、7位ウォルマートと14位ネスレの2社のみ。トップ50まで広げると、Sustainable Japanでお馴染みの、ユニリーバ(21位)、マイクロソフト(25位)、IBM(35位)、セールスフォース(36位)、マリオット(43位)、デル(48位)。

 日本企業では、2015年に3位にランクインしたトヨタ自動車は、2016年にはトップ50から姿を消したが、今年は8位に復活。一方、昨年トップ50入りしていた伊藤園とパナソニックは今年はランクインできなかった。

 新興国企業の台頭も目立ち、今年はトップ15内に、中国企業が2社ランクイン。メキシコのセメックスが18位に、バングラデシュのbKashが23位に、インドのタタ・コンサルタンシー・サービシズが30位につくなど、社会課題を的確に捉え、それを売上に結びつける企業がじわじわ力を備えてきた。

 また、今年は、売上10億米ドル未満の企業の中から「Rising Star」として傑出した6社を選出。NGOのファンドレイジング支援ソフト提供Blackbaud(米国)、小型浄水装置提供Medentech(アイルランド)、データ可視化ツール提供タブロー(米国)、特殊ガラス提供View(米国)、ITセキュリティサービス提供HackerOne(米国)、農業支援ソフトウェア提供Peat(ドイツ)の6社が選ばれた。

 グローバルの企業競争がますます激しくなる中、社会課題を的確に捉えた経営を行うことは、将来の売上向上に大きく響いてくる。以前は欧米企業は短期的経営だと批判されたが、同ランキングにランクインしている企業等はここ10年ぐらいで長期的経営に舵を切り、さらなる売上拡大へと着実に実を結んできている。来年は日本企業は何社ランクインできるだろうか。

【参照】How Fortune’s ‘Change the World’ Companies Turn Doing Good Into Good Business
【ランキング】Change the World 2017
【参照】6 ‘Change the World’ Companies That Are Rising Stars

author image

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

この記事のタグ

Sustainable Japanの特長

Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。

  • 時価総額上位100社の96%が登録済
  • 業界第一人者が編集長
  • 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
  • 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする

※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら

"【ランキング】2019年 ダボス会議「Global 100 Index: 世界で最も持続可能な企業100社」"を、お気に入りから削除しました。