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【オーストラリア】資源大手BHPビリトン、環境NGOの活動の規制を目論む業界団体に不支持を表明

 資源採掘世界大手英豪BHPビリトンは、環境NGOのオーストラリアでの気候変動アドボカシー活動を制限しようとするオーストラリア鉱物評議会(MCA)に立場に反対する姿勢を公式に表明した。英紙ガーディアンが11月7日報じた。BHPビリトンはオーストラリアを代表する世界最大の資源採掘会社。BHPビリトンが環境NGO側の主張に加担する声明が驚きを集めている。

 2015年9月から政権に就いているオーストラリア・ターンブル政権は、目下、国の重要産業である石炭を重視する政策を採っている。2016年連邦議会選挙時には、国外からの寄付金を政党、政党関連団体、慈善団体、NGO等が受け取ることを禁止する案を連邦議会が打診。環境NGOへの資金源を断つ動きと見られ、社会的論争を呼んだ。さらに今年8月、オーストラリア連邦財務省が、環境NGOは予算の半分以上を環境保護活動や教育活動、調査活動そのものに使うことを義務付け、政治的な活動や政治献金への制約をかける法案を発表。広く意見募集を開始した。

 これに対し、オーストラリア鉱物評議会は、同評議会は環境NGOの政治活動を制限する独自案を発表。財務省法案より厳しく、環境NGOは環境保護活動や教育活動、調査活動に予算の90%以上を使うべきだとする意見を財務相に届出た。オーストラリアは海外からの政治活動に関する寄付を一種の政治介入だと見なしており、寄付提供者の身元を明らかにすることも求めている。

 BHPビリトンが今回、これらオーストラリア鉱物評議会に反対する姿勢を示したことについて、ガーディアン紙は、同社が株主から大きなプレッシャーをかけられているためと分析。同社の株主総会では、オーストラリア国内の株主や、海外株主である米カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)、英HSBC、英国国教会年金からも、オーストラリア鉱物評議会と距離を置くべきとする提案が出されている。株主総会決議の投票結果は、直にオーストラリアで開催される株主総会で明らかになる。

 BHPビリトンは、株主提案の内容が判明した後、オーストラリア鉱物評議会との関係見直しや気候変動に関する考え方の違いを表明する考えを発表した。実際同社は、Australian Conservation Foundation(オーストラリア自然保護財団)等の環境団体に意見も求めている。しかし、実際にMCAを脱退しない限りBHPビリトンの動きは不十分とする見方もあり、今後の展開が注目される。

【参考ページ】BHP opposes Minerals Council of Australia's war on activist rights
【議会提案】Second interim report on the inquiry into the conduct of the 2016 federal election: Foreign Donations

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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