欧州安全保障協力機構(OSCE)は2月13日、政府が現代奴隷等ヒューマン・トラフィッキングへの関与を防ぐためのガイドライン案を発行した。OSCEは欧州全域の安全保障と経済協力を協議するため、西欧、東欧(ロシア含む)、北米の計57ヶ国が加盟する国際機関。本部はオーストリア・ウィーン。
ヒューマン・トラフィッキングは、英国で現代奴隷法が制定される等、欧米で関心が高まるテーマ。国際組織犯罪防止条約は「ヒューマン・トラフィッキング(人身取引)」を、「搾取することを目的とし、力による脅迫、誘拐、強要、詐欺、偽装行為、脆弱な立場にある人に対する権力の乱用、金銭等の便益授受を手段とした、人材の獲得、輸送、引渡、隔離、引受」と定義している。日本でも、外国人技能実習生に対する過酷労働や性ビジネス等では、ヒューマン・トラフィッキングが見られるという指摘もある。
今回のガイドラインは、OSCE加盟国政府に対し、政府自身がヒューマン・トラフィッキングに関与しないためのガイドライン案となっている。具体的には、公共調達、人材採用、政府が活用する製品・サービスのサプライチェーンにおいて、ヒューマン・トラフィッキングを防止するための規定内容が記されている。
政府は従来、企業がヒューマン・トラフィッキングに関与することを防ぐための規制当局としての取り組みが求められてきたが、一方で政府自身の活動でもヒューマン・トラフィッキングを引き起こす可能性があることを示している。
【参照ページ】Model Guidelines on Government Measures to Prevent Trafficking for Labour Exploitation in Supply Chains
【ガイドライン案】Model Guidelines
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