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【国際】国連、国連組織改革の国連総会決議案公表。SDGs達成に向け国別活動調整チームの権限強化

 国連持続可能な開発目標(SDGs)実現のため国連組織改革に取り組んでいるアントニオ・グテーレス国連事務総長は3月21日、サブリ・ボーカドゥーム・アルジェリア国連大使とイブ・ピーターセン・デンマーク国連大使の2人の共同調整官がとりまとめた国連総会決議案のたたき台を発表した。各国でのSDGs達成に向け、国連諸機関を国別に統括する強力な担当チームを創設することが柱。すでに国連加盟国政府との協議を開始しており、今後細部を詰める。

 国連は、開発問題を担当する国連開発計画(UNDP)、環境問題を担当する国連環境計画(UNEP)、食糧問題を担当する国連食糧農業機関(FAO)、食糧援助を担当する世界食糧計画(WFP)、健康問題を担当する世界保健機関(WHO)、人権問題を担当する国連人権高等弁務官事務所(OHCR)等、担当領域毎に縦割りで組織が分かれている。これら諸機関を統括するため、各国で活動する国連諸機関は「国連カントリーチーム(UNCT)」そ形成。各国のUNCT代表を、UNDPの国連常駐調整官(RC)が務め、当該国における国連事務総長の代表の役割を果たしている。

 今回のたたき台は、UNCTとRCの役割を強固にすることが柱。現地政府の需要や必要性に応じ複雑な支援体制の構築を実現するため、UNCTを国連諸機関と現地政府の対話促進の中核と位置づけ、RCが対話の調整役となるよう役割を変化させる。そのため、RCをUNDPから独立させる。UNCTの配置や構成は国連事務総長が監督、調整するとともに、必要な定量目標も設定する。UNDPはSDGs達成の上でも重要な役割を果たしているため、UNDPはRCのリーダーシップのおと保有する資産や専門性を提供することが求められる。

 それに合わせて国連諸機関の予算枠組改革も検討している。たたき台では、2021年までに国連諸機関に対し、国連組織全体のSDGs計画に資する成果を毎年報告することを求め、成果報告では第三者機関による評価も要求している。非中核事業に配分している予算の15%を、国連組織全体の共同プロジェクトに拠出することも盛り込んだ。資金の透明性を確保するため、国際援助透明性イニシアティブ(IATI)や類似のイニシアチブへの参加も求めた。

 国連諸機関が参加するコンソーシアム「国連開発グループ(UNDG)」は2016年、「国連開発援助枠組み(UNDAF)」を策定し、その中でUNCTやRCの権限強化を打ち出していた。それを受け、アントニオ・グテーレス国連事務総長は2017年12月、改革レポートを発表。同時に2人の共同調整官が関係者との協議を実施したたき台作成を進めていた。

【たたき台】Zero Draft on UN Development System Reform

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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