米ワシントン州のボブ・ファーガソン司法長官は7月12日、米ファーストフードで7社との間で、フランチャイズ契約での「人材引き抜き禁止(No-poach)条項」の撤廃をすることで合意した。合意した7社は、マクドナルド、アービーズ、カールスジュニア、ジミー・ジョンズ、アンティ・アンズ、バッファロー・ワイルド・ウィングス、シナボン。全米合計25,000店舗で同条項撤廃が今後導入される。
人材引き抜き禁止条項は、同一フランチャイズでの他店舗での採用が禁止するというもの。フランチャイズオーナーが従業員研修に費やした時間と資金を保護するために導入されてきた。一方で同条項は、労働者の就業の自由を制限し、労働者の賃金向上や労働慣行の改善を妨げているとの批判が出ていた。同州司法長官との間では、同州内でのフランチャイズ契約のみが対象だったが、合意後に7社は、同条項撤廃を全米で実施すると表明した。今後の新規のフランチャイズ契約または契約更新時に、同条項が順次撤廃されていく。
今回の決定は、プリンストン大学の2人の経済学者Alan Krueger氏とOrley Ashenfelter氏が、米外食大手40社を調査し、人材引き抜き禁止条項が全米7万人の雇用に悪影響を及ぼしているとする論文を発行したことが大きなきっかけとなった。各州でも同条項による被害を訴える告訴が増えていた。
米マクドナルドについては、2017年に同条項の撤廃を表明するも、徹底されていないとの非難が出ていた。今回あらためて全米での導入を表明した。
【参照ページ】AG FERGUSON ANNOUNCES FAST-FOOD CHAINS WILL END RESTRICTIONS ON LOW-WAGE WORKERS NATIONWIDE
【論文】Theory and Evidence on Employer Collusion in the Franchise Sector
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