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【日本】農水省、2019年度のバターの輸入枠を前年度比54%拡大。酪農家の廃業傾向続く

 農林水産省は1月30日、「乳製品需給等情報交換会議」を開催。相次ぐ酪農家の廃業でバターの原料となる生乳生産量の減少傾向が続いていることを背景に、バター及び脱脂粉乳の安定供給を確保するため、バターと脱脂粉乳の輸入枠を各々2万tとすることを決定した。バターは前年度比54%増、脱脂粉乳は26%減。

 日本でのバター輸入に関しては、政府による厳格な統制が入っており、農林水産省が設定する輸入枠が大きくモノを言う。生乳(牛乳)は、遠心分離するとバターと脱脂粉乳になる。反対に生乳と脱脂粉乳を混ぜると加工乳が作れるので、政府は生乳の価格下落を防止し国内酪農家を保護するため、バターと脱脂粉乳の輸入をコントロールしている(生乳は保存性が低いためそもそも輸入されていない)。具体的には、農林水産省所管の独立行政法人農畜産業振興機構が、輸入事業者が輸入したバターと脱脂粉乳を全量買い取り、一定価格で乳製品事業者に販売する価格統制を行っている。また2017年度からは、年度毎に輸入枠も設定しはじめた。独立行政法人農畜産業振興機構を通さない輸入も法的には可能だが、莫大な関税が課されるため、事実上不可能。

 農林水産省は、輸入枠を大幅に拡大することで、バター不足を回避したい考え。将来見通しについては、現在政府が進める乳用の雌牛の出生頭数が計画通りに増えれば、国産バターや脱脂粉乳の生産についても増加基調となるが、廃業等で出生頭数が伸び悩めば、輸入依存が高まる。

【参照ページ】平成31年度のバター及び脱脂粉乳の輸入枠数量について
【資料】乳製品需給等情報交換会議について
【参照ページ】バターの輸入枠 50%超増へ 酪農家廃業相次ぎ生乳不足が背景

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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