生命保険協会は2月15日、会員となっている生命保険各社向けの自主的参照ガイドライン「ESG投融資ガイドライン」を発表した。拘束力はない。主な取組事項として、2つを掲げた。
まず、資産運用を通じて、環境問題を含む社会的課題の解決に貢献すること。具体的には、気候変動問題への解決に資する企業・事業への投融資や、社会インフラ整備に向けた長期資金の供給等と例示した。
もう一つは、非人道的兵器根絶の後押し。具体的には、クラスター爆弾を非人道的兵器とし、当該兵器の製造を行う企業に対しては、原則として投融資しないとした。
生命保険協会は、「スチュワードシップ活動ワーキング・グループ」と「ESG投融資推進ワーキング・グループ」を内部に設置しており、「スチュワードシップ活動ワーキング・グループ」は、2017年に集団的エンゲージメントを開始すると発表。「ESG投融資推進ワーキング・グループ」は、今回のガイドライン策定を担った。
発表された「ESG投融資ガイドライン」は、自主的参照ガイドラインであるにもかかわらず、具体性が非常に乏しい。「社会的課題の解決に貢献するよう努める」とあるが、実際には何も言っていないに等しい。クラスター爆弾については以前から実施しており新規性はない。同協会は、企業・投資家向けアンケートに基づく提言等を取りまとめた提言レポートを2019年4月頃に公表する予定としており、より踏み込んだ内容となることを期待したい。
【参考】【日本】生保大手10社、集団的エンゲージメント開始。株主還元、ガバナンス、情報開示等(2018年3月8日)
【参照ページ】「生命保険会社の資産運用におけるESG投融資ガイドライン」の策定
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