英金融シンクタンクのカーボントラッカーは3月14日、主要34ヶ国の電力セクターのうち韓国が最も座礁資産を負っていると分析したレポートを発表した。2027年までに現在稼働中の石炭火力発電を運転させるより太陽光発電所を建設する方が安いと提言した。
今回カーボントラッカーは、二酸化炭素排出量等を考慮に入れない「BAU(Business-as-usual)シナリオ」と、二酸化炭素排出量を2℃未満に抑えるために制約等が加わる「2℃シナリオ」との間で、既存及び建設予定の石炭火力発電所のキャッシュフローの差を分析した。結果、韓国は2℃シナリオになると現状のBAUシナリオよりキャッシュフローが1,060億米ドル(約11.8兆円)減少すると算出。分析した34ヶ国の中で、減少幅は最大となった。また2位はインド760億米ドル、南アフリカ510億米ドル、インドネシア350億米ドル、日本200億米ドル。一方、すでに石炭火力発電所が競争力を失っており、停止することでキャッシュフローが改善するところもあり、中国は3,890億米ドル、EUは1,230億米ドル、ロシア200億米ドルと算出された。
現在韓国では、国営電力の韓国電力公社(KEPCO)が、国内発電電力の90%を購入し、送配電している。購入価格は、単純な価格ベースで実施されており、大気汚染コストや気候変動コスト等は考慮に入れられていない。カーボントラッカーは、現行の制度は、石炭火力発電の競争力を不当に高めてしまっていると指摘した。2017年時点で、韓国の総発電のうち、石炭火力発電の割合は43%に達しており、日本と似た状況にある。
【参照ページ】South Korea could waste over US $100 billion on outdated coal technology, crippling KEPCO
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