欧州委員会は4月23日、IT企業大手に遵守を求めていた「偽情報に関する行動規範(Code of Practice on Disinformation)」に関し、企業から提出された最新報告書の状況を発表した。偽アカウント対策や偽情報発信サイトの蓋然性を落とす対策では一定の成果が見られたが、政治広告の透明性の観点では改善道半ばとした。
同行動原則では、フェイスブック、グーグル、ツイッターに対し、2018年12月から欧州議会選挙が行われる2019年5月まで毎月対応状況を報告するよう要請している。今回の報告書は、2019年3月末までの企業対応をまとめたもの。EUは、「偽情報」を、「虚偽または誤解を招くと検証されうる情報のうち、経済的利益のために作成、表示、頒布されたもの、あるいは一般大衆を意図的に欺く上に公益を損なうもの」と定義しており、意図された偽情報という側面を強調している。「偽情報に関する行動規範」は、2018年4月に策定され、政治広告等のスポンサードコンテンツ、アルゴリズムの第三者検証、多様な意見へのアクセス強化、偽アカウント対策、偽情報の監督推進等の内容を含んでいる。
【参考】【EU】欧州委、偽情報に関する行動規範の対応状況発表。フェイスブック、グーグル、ツイッター、Mozilla(2019年2月4日)
今回の欧州委員会発表では、フェイスブックとツイッターが、政治広告を特定し一覧開示する取組をすでに開始。これにより、ユーザーがどの情報が政治広告によるものかを判別することができ、情報の内容に留意することができるようになった。同様の取組をグーグルも近日中に整備する。
またフェイスブックは、偽情報を発信するアカウントの停止ポリシーも整備し公表した。グーグルもYouTubeでのポリシー違反により多数のアカウントを削除した。ツイッターについては、取組内容の開示が少ないと改善を促した。
【参考】【国際】フェイスブック、個人情報保護と偽情報対策で対策実施。EU要求対応完了(2019年4月13日)
【参照ページ】Code of practice against disinformation: Commission welcomes the commitment of online platforms ahead of the European elections
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら