オルタナティブ投資運用協会(AIMA)は5月1日、英弁護士事務所シモンズ・アンド・シモンズからの協力を得、ヘッジファンドにとってのESG投資のあり方や課題を示した手引書「Responsible Investment Primer」を発行した。ヘッジファンドに対してもアセットオーナーからESG投資を求める声は強まっており、業界団体として見解をまとめた。
AIMAには現在、60ヶ国約2,000社のヘッジファンドや非上場企業投資等の運用会社が加盟している。今回の手引書では、ヘッジファンドでもESG投資が広がりつつある状況を伝え、採用されている手法等をまとめた。また、多くのデータから投資意思決定をするESG投資はヘッジファンドとの親和性が高いとしつつも、活用できるデータ不足や運用コストの増大等の課題があることも指摘し、各国の規制当局に対し、規制構築の際にはこれらを十分考慮するよう促した。
その上で、AIMAは、ESG投資規制を行う場合に重要視すべき7つの原則を提起。具体的には「投資家主導」「原則ベース」「一律でない(Proportionate)」「冗長でない」「一貫性のある」「実用的」「広範囲のプレーヤーを対象とする」を挙げた。最後の「広範囲のプレーヤー」については、運用会社だけを規制対象とするのではなく、発行体にもデータ開示等の義務水準を上げるべきとした。
同手引書は、巻末にFAQも設置。「責任投資はヘッジファンドの概念と整合性があるか」「空売りと責任投資は整合性があるか」「オフショアファンド設置と責任投資は整合性があるか」「ダイベストメントが実施すべき内容か」等のよく出る質問に対し、AIMAとしての回答をまとめた。
【参照ページ】AIMA and Simmons & Simmons publish Responsible Investment Primer to clarify role of responsible investment in hedge fund industry
【手引書】Responsible Investment Primer
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