経済産業省、公正取引委員会、総務省が共同で設置した「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」は5月21日、「取引環境の透明性・公正性確保に向けたルール整備の在り方に関するオプション」と「データの移転・開放等の在り方に関するオプション」を公表した。3者は2018年12月、「デジタル・プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則」を策定しており、その後ワーキンググループを2つ設置して、具体的な政策オプションを議論していた。
【参考】【日本】経産省、総務省、公取委、デジタル・プラットフォーマー型ビジネスのルール整備基本原則を策定(2018年12月24日)
「透明性・公正性確保等に向けたワーキンググループ」は、独占禁止法(競争法)等の観点から、プラットフォーマーの公正な取引慣行の実現を検討。基本的な考え方として、プラットフォーマーという「業」に対する規制ではなく、競争制限のおそれのある「行為」を事後規制するのが望ましいとした。その上で、独占禁⽌法の迅速かつ適切な執⾏を可能とする⽅策として、ガイドラインの制定や特殊指定の告⽰等を挙げた。また、独占禁止法を補完する規律として、「独占禁⽌法違反の未然防⽌のための規律」「利⽤者の合理的選択を促すための規律」「利⽤者のスイッチング・コストを下げるための規律」の3つのポイントを挙げ、法規制だけでなく自主規制アプローチも含めて検討することが重要とした。
「データの移転・開放等の在り方に関するワーキンググループ」は、イノベーションを重視したデータの移転・開放のルールのあり方を検討。考慮すべきデータ移転・開放の手法として、「開示」「直接移転」「アクセス(API開放)」の3つを明示。データの移転・開放の対象や取扱条件の明確化や、イノベーションやサービス向上のための投資インセンティブを阻害しないコスト分担を踏まえたルール整備が必要とした。
3省庁は、今回報告された政策オプションを参考にしながら、具体的措置に向けた詳細検討を続けていく。
【参照ページ】プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備に関するオプションを公表しました
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