英テリーザ・メイ首相は6月12日、2050年までに二酸化炭素ネット排出量をゼロにすると表明した。2008年気候変動法を改正し、同目標を法制化する。大手企業131社・団体は5月30日、メイ首相に対し、法制化を要請する共同声明を出しており、同首相退任前に法制化することが決まった。二酸化炭素排出量ゼロ目標を正式に掲げたのは、英国がG7諸国の中で初。
国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の1.5℃特別報告書によると、気温上昇を1.5℃未満に抑えるためには、2050年までに二酸化炭素排出量をゼロにすることが肝要。今回の英国の目標もそれに沿ったものとなる。英国はこれまで、2050年までに1990年比80%削減を目標としていた。
今回の決定に際し、英国政府は、他の経済大国が同様の目標を制定することが重要と表明。今後5年以内に状況を分析し、英国企業が不当な不利益を被っていないかどうか確認する。
二酸化炭素排出量ゼロ目標については、日本政府も6月11日、2050年までの80%削減を表明。パリ協定の1.5℃努力目標達成を目指すという文言も入れたことから、2070年には二酸化炭素排出量ゼロにするという「実質ゼロ」をG7で初めて掲げたと誇っていた。しかし、国際的には日本政府の遠回しな主張は認めらず、英国がG7で初めてゼロを表明したという扱いになった。日本が本気さを示すためには、2050年までの排出ゼロへと前倒しできるかがポイントとなる。
【参照ページ】PM Theresa May: we will end UK contribution to climate change by 2050
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